北本の仏像

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Ⅱ 各地区の仏像

1 中丸地区(旧鴻巣領)

 勝林寺

勝林寺 東間511 →(寺院詳細)

浄土宗。鴻巣勝願寺末、士峯山東源院と号す。本尊弥陀。開山日誉承応元年(1652)七月十九日示寂。日誉は伊奈熊蔵の弟で勝願寺住職となり、のち当所に隠棲し当寺を開いたという。(『風土記稿』)
『寛政重修家譜』によれば、開山日誉は江戸初期の関東郡代伊奈熊蔵忠政の弟で、名は忠武、縫殿助、源貞ともいい、母は某氏、幼きより多病であったため僧となり、鴻巣勝願寺に住し、寛永十八年(1641)十一月十五日紫衣を勅許され、のち鎌倉光明寺に転住した、と見える。その詳しい事歴が明らかでないため、実際に彼が当寺を開山したかどうかは確認できない。後考を俟つことにする。


【木造阿弥陀如来立像】

木造阿弥陀如来立像

〔品質〕寄木造、玉眼、肉身部漆箔、衲衣朱彩
〔法量〕 (中尊)像 高105.4 骨 張 30.8 腹 奥 16.5
当寺の本尊で、通肩の衲衣をまとい上品下生の来迎印を結ぶ。両脇左右に善導、法然の両祖師像を従えている。全体に彫りが浅く、体つきがぎごちないのは、材を箱型に寄せたせいであろう。
江戸彫刻の悪しき一面をまざまざと見せつける作品である。製作期は江戸後期、表面の彩色は後世の塗直しによる。

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