北本の神社

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Ⅱ 旧石戸地区神社

【天神社】

1.所 在 地
北本市石戸宿字城山618番地

2.祭 神
菅原道真公

3.沿革
鎮祭の年月は不詳であるが、同境内に隣接して中世の城『石戸城跡』があることから、天神社の勧請はこの石戸城落城後と思われる。石戸城は一名「天神山城」とも称せられ、本丸跡には東北西の三方に土塁が残されており、二の丸も一部土塁を残す。築造は1450年代と考えられ、太田道権が築城し、その家臣藤田八郎右衛門にこれを守らせたといわれる。その後、幾度か城主が変わり、天正18年(1590)、豊臣秀吉は大軍をもって関東にある北条方の諸城を攻め落とし、北条方の領地はすべて徳川家康のものとなり、この年、石戸城は廃城となっている。従って1590年以降ということができよう。また近年(昭和46年)、御神木が枯れてしまうということで切られているが、その年輪は、318年程が数えられたという。なお、天神社本殿の銘文によれば「宝暦(1751~63)癸西八月」とみられ、以上の事から、天神社は江戸時代中期頃の勧請と推察できよう。明治6年4月村社に列せられてしている。大正10年、稲荷・庚申を合社。

4.祭事
  • 例 祭
  • 2月25日
  • 初午祭
  • 3月最初の午の日
  • 祗園祭
  • 7月15日 悪魔払い
  • 秋 祭
  • 10月15日=日待

5.景観・配置

  • 拝 殿
  • 寄棟造 瓦葺
  • 幣 殿
  • 切妻造 瓦葺
  • 外 宇
  • 切妻造 瓦葺
  • 本 殿
  • 流造 杉材板葺
  • 鳥 居
  • 四脚型 木造 額束銘「天満宮 東□□甫」
  • 手水石
  • 石造 銘「奉寄進石手水鉢 千時元禄六癸西五月吉↓ 施主 石戸渡邊庄次郎光忠蓮」
  • 狛 犬
  • 石造
    右銘「奉 宮崎仲廣他7名 講長島村英一 幹事松島代助他2名」
    左銘「献 伊勢参拝講員連名井野盛治他47名」
  • 力 石
  •  
6.神木・神蹟類
 

7.摂 末 社
  • 稲荷社
  • 祭神 倉稲魂命 由緒不詳 社殿 石祠
  • 太神宮社
  • 祭神 天照大御神 市杵島姫命
    由緒不詳 大正10年5月13日無格社巌島社を承認の上当社に合祀
    社殿 石祠
  • 三峯社
  • 祭神 伊井諾尊 伊井再尊
    由緒不詳
  • 弁天社
  • 大正初期頃まであり
8.組織・運営
現在の宮司は、高柳五郎氏であり、氏子数は147戸である。

9.奉 納 物
石刻絵馬(菅原道真公) 年代不詳 菅野某氏奉納 27×33cm
市指定有形民俗文化財 昭和53年3月15日指定
牛は天神(菅原道真)の神使だといわれているが、図柄は、牛に乗る天神に松の本をあしらったものである。道真は、学問文筆の神として信仰されており、現在でも入学試験のシーズンになると以前よりも増して各地の名だたる天神には、道真の姿を描いた絵馬が数多く奉納されている。しかし、このような石刻の絵馬は、その数も少なくめずらしいものである。図柄や淡い着色からも、かつての素朴な信仰のありさまがうかがえるものである。(北本市文化財調査報告書第4集『北本の絵馬』より)
  • 1.絵馬
  • 源平壇の浦合戦 義経八艘飛びの絵馬である。 87×140cm
    銘「奉寄進御神前 明和六年(1769)甲申初秋吉辰 当宿連中 筆後営軒橘守信」
  • 2.絵馬
  • 直実と敦盛 源平一の谷合戦の絵′馬である。 58×65cm
    銘「奉納御宝前天明八年(1788)戊成仲□吉日 石戸宿 篤邑勇蔵」
  • 3.絵馬
  • 式三番 五穀豊穣祈願の絵馬である。 90×125cm
    銘「文政8年(1825)2月吉日 下石戸村 吉田氏筆子中奉納」
  • 4.絵馬
  • 砲弾 日露戦争の勝利、無事帰還を祝う奉納品 40×55cm
    銘「明治40年(19o7)3月 清水某氏奉納」
    のぼり 銘「大自在天神 成寅仲秋」
    のぼり 銘「石戸稲荷大明神 文政三年(1820)庚辰二月 牧 賛成書」
  • 5.絵馬
  • 小弾銃 日露戦争の勝利 無事帰還を祝う奉納品 30×40cm
    銘「明治44年(1911)正月25日 清水某氏奉納」
  • 6.奉納額
  • 銘「大祓一万度読誦 村びと連名奉納」70X186cm



10.信仰・習俗・その他
  • 初午祭
  • 赤飯、シミズカリ トウフ・アブラゲを供える。
  • 祗園祭
  • 昭和30年頃まで、各家々を獅子が廻ってた。現在、簓獅子頭新旧一対が残されている。
  • 秋 祭
  • この日には赤飯を供える。又、この日は獅子舞が行なわれていたが、昭和30年頃に途絶えた。
  • 天神講
  • 子供達の行事で、「奉納 天満天神宮」と書いて天神社境内の梅の本に奉納し、宿の家でおこもりする。子供達は奉納すると、天神様のお姿(版本で刷ったもの」を一枚もらえたという。昭和20年頃まで続いていた。現在、版本が現存する。
  • 大(おお)講
  • 榛名講・三峯講・大師講を合わせ『大講』として残る。毎年2~3人が代参でお参りして今日に続いている。
  • 御神木にまつわる伝承
  • 御神木の根に溜る雨水を眼につけると目の病気が治るという。
     
  • ム ク
  • 市指定天然記念物 昭和53年3月15日指定 樹齢600円以上 高さ20m 目どおり375cm 根まわり524cm
  • シミズカリ
  • 大根をおろしておき、次に大豆をいって、マスの底で押しつぶして皮をはぎ、一緒に煮て醤油などで味をつけて作る。


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