北本の民具目録 調査・整理に至るまで

社会2 >> 北本の民具目録 >> 調査・整理に至るまで >>

Ⅰ調査・整理に至るまで

1 調査・整理に至るまで

北本市は埼玉県のほぼ中央に位置し、北と東は鴻巣市、南は桶川市、西は荒川を挟んで比企郡吉見町・川島町に接している。都心からおよそ45kmの距離にあり、国道17号線とJR高崎線が市域の中央を南北に平行して走るという交通の便にも恵まれ、昭和35年頃から急激に人口が増加し、また急激な日本経済の発展と科学技術の進歩等により、市民の生活様式も大きく変化している。
かつての町並みは大きく変貌し、多くの田畑や雑木林が住宅地へと姿を変え、古い農家の改築等により、昔の生活を物語る生活用具や農具などが姿を消しつつある。このようななか、教育委員会では、廃棄されゆくこれらの道具を市民から文化財資料「民具」として寄贈を受け、収蔵庫において保管していた。
しかしこれらの民具は、市史編さん業務のなかで調査され、紹介されたものが数点あるものの、ほとんどのものはこれといった調査もされず、かならずしも良好とはいえない保存環境のなかに長い間置かれ、寄贈を受け収集したものの、なかなか活用するまでには至らない状況にあった。
そこで、教育委員会で保有している民具すべてを把握し、資料として今後活用可能な状態とするとともに、将来計画されている資料館施設等への展示などを踏まえ、現在どのような民具があるのかを知り、今後どのようなものを収集していく必要があるのか等を検討するための基礎となる資料を作成することを目的として、平成3年10月より調査・整理事業を開始した。なお調査の段階で保存状態が特に悪いものを調査対象から除いたり、調査期間中に資料の寄贈申請があった場合も今回の調査に含めるものとしたため、最終的に調査対象となった資料は703点となった。

<< 前のページに戻る