北本の民具目録 調査・整理の方法

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Ⅱ 調査・整理の方法

1 調査カードの作成

調査・整理は、長い間収蔵庫において保存されていた資料には、収集時における受入番号がつけられていなかった。そこで、はじめに資料整理室に運び込んだ順に通し番号(整理番号とする)をつけてからクリーニングし、資料に直接整理番号と名称を注記した。つぎに以下のような調査項目を設定し、調査ノートに記録していくという方法をとった。
名称……………地方名。旧所有者による資料の呼び名等。
採集……………採集地、採集年月日及び採集の方法等。
旧所有者………旧所有者・寄贈者の住所、氏名、職業等。
製作……………製作した場所、作者、年代、製作法、材料等。
使用……………使用した場所、年代、使用者、使用法等。
形態……………形態、寸法、重量等。
上記の調査項目について、可能な限り過去の経緯をたどり、聞き書きなどにより記録を作成するように努めたが、直接資料への注記がなされていなかったため、つけられていたはずのラベルが資料から外れるなどして、寄贈申請書等の記録文書と資料とを一致させることができず、資料はあるものの、寄贈者や名称・使用方法等がまったく不明となってしまったものも少なくなかった。このような場合はその欄を空欄のままとしておき今後も継続的に調査していくこととした。
また資料の形態の把握については、民具資料の調査に限らず、実測と写真撮影が最良の方法である。そこで今回の調査においても資料の写真撮影と実測図の作成を行った。残念ながら時間的な制約から全ての資料の実測図作成は終えていないが、実測図のない資料についても計測値を記入した簡単なスケッチを作成した。実測図の作成にあたっては、正視画法第三角法を用いることとし、必要に応じて、部分の図や内部の構造を示すスケッチ等を作成した。また原図には、細かな寸法が書き込まれていたり、図で表現できにくい所見などを言葉で記入してあるが、本書ではトレースの際に省いている。
以上のような要領で、作成したノートと写真、実測図を第2図に示す調査カードを作成して一つにまとめ分類した。

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