日本にほんは4世紀せいきごろ大和朝廷やまとちょうていによって国土こくどが統一とういつされていったんだけれども、この時代じだいそれぞれの国くにを治おさめていた豪族ごうぞくたちは自分じぶんの力ちからを示しめすために大おおきな墓はか（古墳こふん）をつくったんだ。埴輪はにわは、その古墳こふんの周まわりを取とり囲かこむように建たてられた副葬品ふくそうひんの一ひとつなんだ。埴輪はにわには、丸まるい筒つつの形かたちをしたものや人ひと、動物どうぶつ、家いえなどを型かたどったものなどがあるけれど、これらは当時とうじの人ひとたちの服装ふくそうや髪型かみがた、風俗ふうぞく、くらしの様子ようすなどを知しる上うえでとても貴重きちょうな資料しりょうになっているんだよ。
北本市内きたもとしないにある古墳跡こふんあとからもいくつかの埴輪はにわ（破片含はへんふくむ）が出土しゅつどしているけれど、中なかでも中井なかい1号古墳ごうこふんから出でた人物埴輪じんぶつはにわは、考古学上こうこがくじょうとても意義いぎある資料しりょうだね。写真しゃしんの人物埴輪じんぶつはにわは、市指定考古資料ししていこうこしりょうになっているのではないかな。また、興味深きょうみぶかいことに、その中なかの男子像だんしぞう（図右下ずみぎした）については、その服装ふくそうや被かぶっている冠かんむりなどから渡来人とらいじんをモデルにしたものじゃないかといわれているんだ。渡来人とらいじんの埴輪はにわが発見はっけんされたのは、全国ぜんこくでもこれが4例目れいめと非常ひじょうに珍めずらしいものなんだよ。
渡来人とらいじんは、大陸たいりくから建築けんちくや土木工事どぼくこうじ、焼やき物ものなどの進すすんだ技術ぎじゅつを伝つたえて、日本にほんの生活せいかつに大おおきく関かかわっていたといわれている。鉄てつや青銅せいどうなどの道具どうぐが広ひろまったのも彼かれらのおかげなんだよ。北本きたもとの古墳こふんから渡来人とらいじんの埴輪はにわが出土しゅつどしたことは、北本きたもとと朝鮮半島ちょうせんはんとうから渡わたってきた人ひととが深ふかいつながりがあったことを物語ものがたっているんだ。