北本市史 通史編 自然

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第6章 北本の生物

第4節 都市化と生物

2 帰化植物

北本市では昭和四十五年(一九七〇)ごろから北本駅や国道十七号を中心にして開発が進んだ。とりわけ公団北本団地や北本南団地の建設を始め、区画整理事業などによって都市化が進んだ。台地上から始まった都市化は低地にまで進みつつある。

写真32 セイタカアワダチソウの群落

都市化によって新しい環境となった地域では、帰化植物の種類と個体数が増えている。帰化植物は日本の環境にたいしてはむしろひ弱な植物であるとされているが、都市化によって土壌がアルカリ化した環境には適しているので、市内でも都市域で繁殖している。すなわち帰化植物は市内の住宅地や裸地、道路沿いなどに多く分布する。
例えば市内荒井の住宅開発地として裸地になったところでは、ハルジオン、ヒメジオン、セイタカアワダチソウ、セイヨウガラシ、ヒメムカシヨ
モギ、シロツメクサ、ブタクサ、アキノノゲシ、オニノゲシ、コヒルガ才、アメリカイヌホウズキ、ギシギシ、オオバコなどの帰化植物が観察さ
れる。平成三年(一九九一)十月中旬に一区画の中で数えられた三七種のうち一六種が帰化植物である。

図49 石戸宿のタンポポ分布図

(相田・炭谷1993調査により作成)

このほか、近年市内で優勢をほこっている帰化植物をあげるとショカツサイ、ホソバヒメミソハギ、メマツヨイグサ、アレチウリ、ホウキギク、ヒロハホウキギク、チチコグサモドキなどである。市域の中で「優れた自然」として取り上げた地域(本章第五節)にも帰化植物は入りこんでいるが、その種類は大変少ないことが注目される。

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