北本市史 通史編 原始

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第2章 豊かな自然と共に

第4節 集落をつくる

竪穴住居に住む
竪穴住居は、地面を四〜五〇センチメ—トル掘りくぼめ、掘立て柱を立て、上屋(うわや)を架(か)けた住居である。住居は、風雨を、寒さを、虫や獣の害を防ぎ、また、日常の食事を用意する厨房(ちゅうぼう)であり、保存食を作る場であり、保存食を貯蔵する倉庫であり、雨の日や夜の作業場でもある。また、灯(ともしび)は漆黒(しっこく)の闇(やみ)を克服(こくふく)し、炉を囲んだ家族の団らんの時をも生み出した。竪穴住居の普及は縄文時代には大変重要な役割を果たしたのである。
住居内の装置としては、まず普遍的(ふへんてき)に使用していたものにアンペラ様敷物がある。篠竹を組んで作った敷物である。焼失住居から炭化してみつかっている例が多い。寝床となる部分には枯葉などを厚く敷いていたであろう。アンギン織りなどによるカーテンの様な間仕切りや風除けなども使っていたかもしれない。草創期と早期の住居内には炉が無いが、前期になると家の中に炉が設けられるようになる。炉の上には井げたに組んだ火棚(ひだな)がしつらえられ、魚や獣の肉などを燻製状(くんせいじょう)に乾燥するのに使われたであろう。長野県では祭壇状(さいだんじょう)の施設がある住居跡もみつかっている。

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