北本市史 通史編 原始

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第2章 豊かな自然と共に

第4節 集落をつくる

集落から立ち去る
古市場の上手遺跡では加曽利(かそり)EⅢ式期に人が現れ、称名寺(しょうみょうじ)I式期までに二軒の住居を営み、その後どこかへ立ち去っている。なぜ、人は移動するのだろうか。周辺地域の動植物を取りつくしたために移動することもあったろう。しかし、大きな集落は、長く続いている期間が、土器の最盛期・安定期とほぼ一致しているケースが多くある。土器型式が次の土器型式に変化するときや、前期と中期の間など時期区分の接点では住居跡が見つからなかったり、家の数が減っていたりする。これは生活、ひいては縄文社会の不安定な状態が土器の文様の上にもあらわれ、精神的不安が次の生活地を求めて旅立たせているのではないだろうか。

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