北本市史 通史編 原始

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第2章 豊かな自然と共に

第5節 生活を豊かにした道具

身につける道具
着用具の代表は衣類である。寒暖の調節や身を守るために無くてはならぬ衣料である。人類がまず身につけた衣類は獣の皮であろう。獣の皮は、衣類ばかりでなく、敷物やテントなど広い用途を持った便利な素材である。晩期には、頭部に溝を刻んだ針様の鹿角製品があり、皮を纏(ま)つるのに使用したのであろう。本格的な織物は弥生時代にならないと伝わってこないが、晩期には組物に近いアンギン織りによる原始的な布を用い、衣類を製作していた。確かな衣類は残っていないが、土偶に衣類を表現している文様がある。衣類を縛る腰紐や装身具も着用具の一つである。装身具は呪術性が強く、次節で触れる。

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