北本市史 通史編 原始

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第2章 豊かな自然と共に

第1節 狩りと採取の縄文時代

弓矢の発明

図11 丸木弓 桶川市後谷遺跡

(『桶川市史補遺編』より引用)
狩りの道具から始まる弓は、武器、鳴弦(めいげん)や境界に矢を立てる呪術(じゅじゅつ)、弓術、弓道と、多様な展開と歴史をたどり、現代まで続いている。

縄文時代に移行して発明された画期的なものにもう一つ<弓と矢>がある。小動物が増えたことによる新たな狩りの道具を発明したのである。旧石器時代の終わりごろに発明された槍も、投げることによって飛び道具になるが、弓矢の方がずっと速く、かつ、正確に獲物に向かって飛ばすことが可能である。獲物に気づかれることなく、離れたところから射ることができるようになり、狩りの成果も上がったであろう。小動物を対象としているから、シ力やイノシシに一矢刺さったところで致命傷(ちめいしょう)を負わせるところまではいかないが、たくさん射ることにより動きを鈍くし、槍などでしとめることができた。それだけ飢えが遠ざかったということである。弥生時代になると戦争の武器となる弓矢だが、縄文時代にはたまさか人を傷つけたり死傷させることがあったにせよ、基本的には狩りの道具である。縄文時代には侵略的意味での戦争はなかった。

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