北本市史 通史編 原始

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第2章 豊かな自然と共に

第1節 狩りと採取の縄文時代

縄文人はどこから来たのか
縄文人の起源と成立について、古人骨を計測してその特徴を把握(はあく)する形質人類学(けいしつじんるいがく)では、旧石器時代末に中国大陸から渡ってきた山頂洞人(さんちょうどうじん)と柳江人(りゅうこうじん)が原型となったと推察している。山頂洞人と柳江人は、初原モンゴロイドよりもやや進化した古モンゴロイドであり、約二万年前ごろの氷期に陸続きだった日本へ南から移動してきたのである。最近では古人骨の遺伝子分析が可能となってきており、浦和市の円正寺遺跡(えんしょうじいせき)からみつかった人骨のDNAの塩基列配列(えんきれつはいれつ)は、東南アジア人と一致していた。東南アジアからも人類が渡ってきていたのである。
山頂洞人と柳江人が出現した同じころ、バイカル湖付近では寒冷地に適応した新モンゴロイドが出現し始めていた。彼らが日本にやってくるのは弥生時代のことである。

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