北本市史 通史編 原始

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第4章 巨大な墓を競って造った時代

第8節 祭祀と信仰

神社の成立
古代の祭祀遺跡はその後に神社に発展した例が多い。前にあげた金鑽神社や多気比売神社などが該当するが、これらが社殿を備え、神官を置くようになったのはおそらく奈良時代前後からと思われる。天皇家の祖先神である天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀る伊勢神宮の成立が七世紀後半の天武朝(てんむちょう)といわれているからである。伊勢神宮の場合、皇族の独身女性を斎王(さいおう)として、神宮に付属する斎宮に派遣し、祭祀を司(つかさど)らせていた。このことは巫女が祭祀の中心をになった古い時代の伝統を反映しているものといえる。しかし神祗制度(じんぎせいど)の確立と共に男性神官が進出し、巫女の社会的地位は凋落(ちょうらく)していくこととなる。

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