北本市史 通史編 近世

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第3章 農村の変貌と支配の強化

第5節 治安取締りと改革組合村の設置

1 風俗の乱れと治安の悪化

享保の改革以後、幕府の年貢収奪はその激しさを増し、加えて自然災害などもあって農村の疲弊(ひへい)は進行した。一方関東においては江戸を中心とする商品経済が発達して、いわゆる江戸地廻り経済圏が形成されていった。
農村では、農民が僅かに残された自分の田畑と小作地を耕作して細々と経営を成り立たせるか、全く田畑を手放し、小作人となって苦しい生活を強いられるようになった。また、なかには村を離れて江戸をはじめとする都市へ流出して行った。さらに無宿者となって、博奕などで暮らす、いわゆる渡世人となっていったものもいた。
また、江戸地廻り経済圏の発達は、歌舞伎に代表されるような江戸文化の農村への流入を促したため、農民の生活は奢侈(しゃし)に流れ、そうした風俗の面でも幕府はこれを取締らねばならなかった。

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