北本市史 通史編 現代
第2章 都市化から安定成長へ
第2節 北本市の発足と市政の展開
3 「緑に囲まれた北本市」づくり
さくらと歴史の郷づくり写真43 さくらと歴史の郷づくり基本構想・基本計画書
本計画対象地域は、(中略)城ケ谷堤(じょうがやづつみ)桜をはじめ、荒川や斜面樹林等の豊かな自然、神社仏閣や史跡等の歴史的遣産、そして田畑や集落地の田園景観等が残されており、また、北本自然観察公園をはじめとする各種公園等の整備も進みつつあり、市民あるいは周辺住民の憩いとレクリエーションの適地として大きな可能性をもっている。
本計画は、(中略)一帯を「さくらと歴史の郷」として整備し、もって市民の憩いの場の創出、本市のイメージアップ、地域の活性化、並びにふるさと意識の高揚等に資することを目的として実施するものである。
では、「さくらと歴史の郷」とはどのような内容のものか。その基本構想とおもな施策の概要を示す。
まず第一に、次のようなゾーンを設定する。
- 歴史ゾーン・・・・・・・・・石戸城跡、堀ノ内館跡、東光寺(とうこうじ)、天神社等を含む対象地域南部の台地
- ふるさとゾーン・・・・・・・・・台地上には集落・畑・果樹園、谷地には水田・湿地、斜面には雑木林が見られる北部区域
- 田園ゾーン・・・・・・・・・ 水田や畑、斜面樹林が広がり、高尾スポーツ広場がふくまれる荒川流域の低地
- スポーツ・レクリエーションゾーン・・・・・・荒井橋より下流の水田地帯と天神下連動公園をふくむ区域
- 自然観察ゾ—ン・・・・・・・・・北本自然観察公園の区域
- 北里メディカルゾーン
- 斜面樹林の保全と美しい森づくり・・・・・・・・・現存樹林の保存を図り、かつ桜・紅葉樹木を植栽する。
- ふるさと(農業)景観の保全と育成・・・・・・・・・台地上の景観(屋敷林に囲まれた集落)を保全し、桜の植栽や生け垣化を進める。
- 旧河川の保全と整備・・・・・・・・・上沼(かみぬま)および城ケ谷付近の旧河川を保全し、一部を自然観察および釣り場として整備する。
- 湧泉(ゆうせん)の保全・・・・・・・・・横田薬師堂下や高尾宮岡の谷地の湧泉を整備して、自然学習の場とする。
- 石戸城跡の歴史公園化・・・・・・・・・遺構(いこう)を保存し、歴史公園として整備する。
- 郷土学習センターの建設・・・・・・・・・本市全体を対象にした自然と歴史をテーマに、参加型、体験型の展示解説を行う。
- 高尾大宮公園の整備・・・・・・・・・レクリエーションのための多目的広場や桜の園などを整備する。
- 味覚・散策・四季の里の整備・・・・・・・・・観光農園を整備し、案内所、農産物販売所等を整備する。
- 歴史の散歩道の整備・・・・・・ふるさと歩道コ—ス(県営)以外の遺跡を繫(つな)ぐ道路を指定、整備する。
- 花の畦道(あぜみち)の整備・・・・・・・・・斜面下の農道を指定し、草花を植栽し、サイクリング道路を兼ねた散歩道に整備する。
これらの事業は、平成十三年度を最終年度として整備が進められていくものである。