北本市史 資料編 自然

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第5章 北本の水

はじめに
水は人間にとって最も身近な自然である。世界の四大文明の発祥地や日本の稲作農業の発逹などは水とのかかわりの中で、その生活・生産舞台を形成してきた。人々は現在も日常生活の営みや農業・工業の生産活動の中で、河川水や地下水などとかかわり合いながら多量の水を利用し続けている。しかし、水は生活・生産とのかかわりにおいて、利用が過度になると、その循環過程に影響し、かつ水環境の悪化につながっていく。こうした現象は地域によって異なるが、一般には都市域で顕著にみられる。
北本市は、かつて農村的景観を色濃く示していたが、近年多くの農地や樹林地が住宅や工場用地に変わり、都市化の進行する状況を至るところでみることができる。人間と水とのふれあえる接点である河川や湧水は、工場や家庭からの排水で汚され、ドブ川化し、湧水量は減少する傾向にある。
こうした水環境の現状から、本章では市域の河川と地下水に焦点を当てながら、河川の在り方、河川環境とその水質、地下水循環とその涵養機構、地下水の在り方とその水質、地下水利用の状況とその障害などについて記述している。
また、近い将来水環境を検討する際に必要な基本的考えを若干加えてある。

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