北本市史 資料編 自然

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第7章 北本の動物

第1節 北本の陸生動物

4 昆虫類

主要な蛾類の解説
日本において暖地性の蛾とされるゴマフリドクガ、オオタバコガ、ハスモンヨトウ、ホシコヤガ、ヒメシロテンコヤガ、ウラギンヨトウなど、注目すべき採集記録がみられる。
湿地性のヨシツトガ、ニカメイガモドキ、シロツトガ、ツマグロヨトウ、ノヒラキヨトウ、テンオビヨトウ、マエホシヨトウは、いずれも埼玉県では採集記録が少ないか、初めて記録された蛾である。
関東以北では埼玉県久喜市の一例のみが報告されていたフシキキシタバ(口絵写真参照)が、一九八五年六月に川島町と北本市石戸宿で採集された。石戸宿では六月二十五日と二十六日に大釜章男氏がクヌギの樹皮上で発見している。
群馬・茨城・新潟の三県の湿地で発見されているイチモンジヒメヨトウ(写真3参照)は、一九八五年五月十八日に氷室美芳氏により石戸宿で採集されたが、この蛾はそれ以後戸田市などからも発見されている。
北海道と本州の茨城県菅生沼および埼玉県所沢市三ヶ島が既知産地であった八スオビアツバ(写真2参照)は、一九八五年六月二十二日に市川和夫(筆者)が石戸宿で採集している。湿地性の蛾と思われる。
関東地方南部が分布の北限となるウラギンヨトウは、埼玉県では越生町から記録されていたが、一九八五年五月十日に竹内崇夫氏により、石戸宿で採集された。
帰化種では、アメリカシロヒトリは一九五〇年ごろより市内各地に定着。シバツトガが一九七〇年代後半ごろより荒川河川敷沿いに大発生し、今日に及んでいる。

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