北本市史 資料編 自然

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第7章 北本の動物

第2節 北本の水生動物

3 魚類

③北本市の日本固有の魚類
北本市の河川・池沼で外国から移入され繁殖している魚類が多いなかで、日本固有の八ス・ワタカ・ニゴイ(写真7参照)などの魚類も生息している。
ハスは琵琶湖と淀川水系が原産地である。北本市の荒川では、全長三〇センチ位の個体が生息している。群をつくって遊泳し、夏は水の表層近くを小魚やアユを追って泳ぎ、しばしば水面から飛びあがる。幼魚は三年位で成魚となる。肉はやわらかく美味である。
ワタカは琵琶湖と淀川水系が天然分布地であり、ウナギ、ヘラブナとともに放流された。水深のあまり深くない水草の繁茂している蓮沼に生息する。ヨシやマコモ等の水面に浮かぶ部分や岸から垂れた葉・根などに産卵する。通称「セムシ」とも呼ばれている。
ゲンゴロウブナは荒川・蓮沼に多く生息する。琵琶湖より毎年放流され増えている。そのために、従来、同じ水域に広く生息していたギンブナとの間に生息場所と餌との競合が生じ、ギンブナは追われて減少している。
ニゴイは従来から荒川に生息していたが、昭和五十六年頃から著しく増殖している。幼魚は砂底または砂泥底の底層部に棲む。成魚は砂礫底や岩礁部に群をつくって生息する。一メートルごとに泳ぎ進む。頭部だけをかくすのでモリでさして簡単に取れる。通称「バカサイ」とも呼ばれる。これはニゴイの行動からも想像できる。

写真7 ニゴイ

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