北本市史 資料編 原始

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第2章 遺跡の概要

第1節 荒川沿岸の遺跡

中井遺跡 (大字高尾字中井)
遺跡は南から北へ逆従に発達した支谷の東側の台地上に位置している。中井古墳群等が所在する狭長な舌状台地の対岸である。標高は三〇メートル、沖積面との比高差は八〜九メートルである。道路工事に伴って発見された遺跡である。縄文時代前期の集落跡であろう。
採集遺物は土器片と石器である。図35の1は口縁が大きく外反する深鉢である。胎土に浮石粒を多く含んでいる。赤褐色を呈している。三本単位の櫛状工具で横位に条線を施文している。諸磯C式である。
3は打製石斧。わずかに刃部を調整しているのと、えぐり部を丁寧に刃潰ししているだけで、片面は自然面のままで、もう片面も最初の剝離(はくり)面のままである。2は小型の磨石である。

図34 中井遺跡位置図

図35 中井遺跡出土遺物拓影図及び実測図

写真17 中井遺跡現状

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