北本市史 資料編 原始

全般 >> 北本市史 >> 資料編 >> 原始

第2章 遺跡の概要

第1節 荒川沿岸の遺跡

高尾遺跡 (大字高尾字大宮)
遺跡は、台地線から二〇〇メートル東方へ入った地点で、地形的にはほとんど平坦地で、幾分西に向かって傾斜している。標高は三二メートル前後である。遺跡の範囲は東西ー九〇メートル、南北一三〇メートルに及ぶと推定する。縄文時代中・後期と古墳時代の複合遺跡である。
採集遺物は土器片と石器である。図41の3は中期の勝坂式。キャリパー形の甕で、口唇内側が丸みをもって大きく肥厚している。口縁部に隆起帯をめぐらし、そこからキザミを伴う隆起帯が右傾して下がっている。隆起帯に挟まれた内側には沈線を数条施文している。
1は後期の加曽利B式。口縁が外反する深鉢である。口縁直下に2本の隆帯をめぐらし指頭圧痕を加え、隆起帯より下方に沈線と縄文RLを施文している。
石器としては4の磨石の他に、磨製石斧が採集されている。
2・5は古墳時代の土師器片である。

図40 高尾遺跡位置図

図41 高尾遺跡出土遺物実測及び拓影図

写真18 高尾遺跡現状

<< 前のページに戻る