北本市史 資料編 原始

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第2章 遺跡の概要

第1節 荒川沿岸の遺跡

弥生時代
石戸城跡から宮ノ台式の櫛描き文の小片が出土している。唯一中期の土器片である。八重塚遺跡A区で、弥生時代末から古墳時代初頭にかけての六軒からなる集落を調査した。弥生時代と古墳時代とで土器に一線を画するのがむずかしく、過渡期の集落ととらえる。支配層に断絶があろうとも、常民の生活はたゆまず続けられていったことを、土器たちが示しているのである。注目すべきは、東海地方に主分布域がある欠山(かけやま)式が二個体出土していることである。埼玉県内では初めての出土例である。S字口縁の祖型を示すA類の台付甕で、先進地の動きが、スピーディーに伝わってきていたことをうかがうことができる。

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