北本市史 資料編 原始

全般 >> 北本市史 >> 資料編 >> 原始

第2章 遺跡の概要

第2節 江川流域の遺跡

大蔵寺(だいぞうじ)裏遺跡 (大字下石戸下字向原)
この遺跡は、氷川神社北遺跡の南方一〇〇メートルにある。江川低地が、西側に支谷を分枝する位置に立地する。標高は一八~二〇メートルで、沖積面との比高は二~三メートルである。現状は畑・陸田となっている。
遺物の散布範囲は、大蔵寺の裏側一〇〇×五〇メートルの地域に及んでいる。南接する山林中には、古墳状の高まりをもった塚が二基ある。大きさは径八メートル、高さ一・二メートルあるが、古墳とは断定できない。
散布している遺物には、縄文土器や古墳時代の須恵器などがある。図161は、昭和四十六年の分布調査によって採集された土器の拓影図である。これらの土器片は、縄文時代中期の終末から後期にかけてのもので、加曽利E式が主体である。
遺物の散布密度も比較的高いし、出入りの多い好立地条件にあるので、縄文時代と古墳時代のまとまった集落跡が存在しているものと推定される。

図160 大蔵寺裏遺跡位置図

図161 大蔵寺裏遺跡出土遺物拓影図

写真86 大蔵寺裏遺跡現状

<< 前のページに戻る