北本市史 資料編 原始

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第2章 遺跡の概要

第2節 江川流域の遺跡

デーノタメⅡ遺跡 (大字下石戸下字久保)
遺跡は、デーノタメの東方のすぐ上の台地縁に立地している。標高二一メートルで、西南から入ってくる谷筋を西側に望んでいる。遺物の散布範囲は、当所の小沢清治氏宅と水道企業団浄水場との間の畑約二〇〇〇平方メートルである。
遺跡の時期・性格は、縄文時代に営まれた集落跡であろう。図184の2は、本遺跡で採集された土器の拓本と石器の実測図である。
このうち注目されるのはポイント(尖頭器)様の石簇である(図184の1、写真97)。この石鏃の石材は透明度の高い信州系の黒耀石(こくようせき)でつくられ、形態的にはサムスクレイパー(拇形搔器)のような感じのするポイント形で、製作手法は押圧剝離(おうあつはくり)によっている。したがって、縄文時代でも古い時期に属するものである。

図183 デーノタメⅡ遺跡位置図

図184 デーノタメⅡ遺跡出土遺物実測図及び拓影図

写真97 デーノタメⅡ遺跡出土石鏃

写真98 デーノタメⅡ遺跡現状

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