北本市史 資料編 原始

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第2章 遺跡の概要

第3節 赤堀川流域の遺跡

下原遺跡 (本宿七丁目)
この遺跡は、前記の北本宿遺跡と並び台地の背稜部に立地し、水系的には、綾瀬川筋に属し、その源頭部近くに位置している。交通的には中山道の東側へ約一〇〇メートル離れた地点にあり、「岡醬油」の南東方一五〇メートルに所在する。標高は二二~二七メートルあり、西から東へゆるやかに傾斜している。
遺物は、この斜面の帯状地南北一〇〇メートル、東西五〇メートルにわたって散布している。まだ発掘されていないので遺跡の性格などについては、正確には把握できないが、散布している遺物から推察すれば、縄文時代中期の中規模程度の集落跡と考えることができる。
図201は、下原遺跡で採集された土器片の拓影図である。1は爪形文とへの字形の小刻文を連続して施してある勝坂(かつさか)式土器である。2~7は加曽利(かそり)EⅡ~Ⅲ式にかけての土器で、2は太い沈線文と縄文を施し厚手である。3は隆起文・沈線文・縄文が施されている。4は、二本の太い平行沈線文と縄文が施されているが、2とは縄文の傾き(撚り)が異なる。6は縄文を浅く転がしている。7は堅くしまった焼成で、条線文がたてに施されている。色調は、1~6は褐色~赤褐色を呈するが、7は淡褐色を呈する。

図200 下原遺跡位置図

図201 下原遺跡出土遺物拓影図

写真104 下原遺跡現状

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