北本市史 資料編 古代・中世

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第1章 古代の武蔵と北本周辺

貞観元年(八五九)正月二十七日
武蔵国氷川神が、従五位上の神階を授けられる。以後も諸社とともに神階を上げられる。

24 日本三代実録(1)  〔新訂増補国史大系〕
(貞観元年正月)
廿七日甲申、京畿七道諸神進階及新叙、惣二百六十七社(中略)武蔵国従五位下氷川神従五位上
25 日本三代実録 〔新訂増補国史大系〕
(貞観五年六月)
八日己亥、授武蔵国従五位下(上)氷川神正五位下
26 日本三代実録 〔新訂増補国史大系〕
(貞観七年十二月)
廿一日戊辰、授下野国正三位勲四等二荒神従二位、武蔵国正五位下氷川神従四位下
〔読み下し〕
24二十七日甲申、京畿七道諸神に階を進むること及び新叙、惣て二百六十七社、(中略)武蔵国従五位下氷川神は従五位上
25八日己亥、武蔵国従五位下(上)氷川神に正五位下を授く
26二十一日戊辰、下野国正三位勲四等二荒神に従二位、武蔵国正五位下氷川神に従四位下を授く
〔注〕
(1)六国史の一『日本文徳天皇実録』に続き藤原時平(ふじわらのときひら)らの編により延喜元年(九〇一)に成立した五〇巻の勅撰史書。天安二年(八五八)から仁和三年(八八七)までの三〇年間を記した淸和・陽成・光孝三代の天皇の編年体実録で、六国史の最後となった。
〔解 説〕
武蔵氷川神は大宮市高鼻町に鎮座する現在の氷川神社で、縁起によると孝昭三年四月の創立と伝え、出雲国簸川の川上に鎮座する杵築大社を勅願によって勧請し、氷川神の神号を賜ったという。祭神は須佐之男命。稲田姫命・大己貴命。史料24~26によると、従五位下に叙されていた同社が、貞観元年以降順次位階を上げ『続々群書類従』所収の「諸社一覧」では、同七年には従四位下に叙されていたという。やがて、武蔵国名神大社として式内社に列し、一の宮となっていく。

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