北本市史 資料編 近世

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第2章 村の生活

第6節 家の記録

江戸時代においては、村落内の個々の家が生活共同体の最小単位であり、人々の暮しは家を離れては成りたたなかったといってもよい。そして、個々の家は時代の流れの中にあって、あるときは栄え、ある時は不運にも家が傾くといった数々の歴史を経て今日に至っているのである。
本節では、家を単位として行われた隣・近所・親戚との付合いに関する資料(資料167~170)により、当時の家の交際範囲、贈答品の中味、風俗習慣など農民の暮らしの一端を窺おうとした。
また、家の歴史の一駒である縁組(資料171・172)、あるいは、普請工事も取上げてみた(資料173)。特に普請では、材料並びに費用なども記録されており特色ある資料となっている。
日記は、個人あるいは家の記録であるばかりでなく、その時期を生きた一個人の眼に写った世相をも書き残していることが多い。ここで取上げた日記(資料174)は、まさにそういう例で、慶応四年の江戸期から明治期へと移り行く様を記した貴重な資料である。

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