北本市史 資料編 近世

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第2章 村の生活

第6節 家の記録

1 付合い

169 文久四年(一八六四)二月 高尾村田島家出産祝覚の帳付赤飯配・宮参り・疱瘡見舞
  (高尾 田島和生家文書一〇)
(表紙)
「   文久四子年
  出 産 覚 之 帳
   二月吉日           」
      覚
一、鰹節壱袋弐本善右衛門
一、壱袋弐本大門善 之 丞
一、壱本平   蔵
一、雛壱ツ
一、川岸要   蔵
一、四百文栄   作
一、壱つ同   人
一、壱朱舟ノ源   蔵
一、壱つ源   蔵
一、壱つ宮内村和 一 郎 
一、二百文八幡脇初 五 郎
一、壱つ常   蔵
一、壱つ向原佐五右衛門
一、弐朱丸山勇   助
一、壱つ同   人
一、鰹節弐本荒井村国 五 郎
一、壱つ同村熊 二 郎
一、二百文川岸鶴   吉
一、壱つ鴻巣宿茶碗屋勝 五 郎
一、弐つ同宿土橋
同 鴻屋
武右衛門
市右衛門
一、鰹節三袋弐本菓子や国 太 郎
     赤飯配り
    表△善右衛門
  大工店△善 之 丞
    坂△兼   吉
  菓子や 国 太 郎
   本村 源 三 郎
小 文 次
留 五 郎
     △虎 五 郎
安 五 郎
     △栄   作
   舟ノ△源   蔵
   下ノ△鶴   吉
   下手 弥   八
留 五 郎
ば   く
多   吉
瀧 五 郎
勘   助
源   六
徳 二 郎
   大工△平   蔵
     △源   蔵
源   八
綱 五 郎
   大工梅   吉
   大工
巳 喜 助
常   二
金 五 郎
  八幡脇初 五 郎
   丸山△勇   助
八 五 郎
     △佐五右衛門
   湯屋 繁   蔵
    原△常   蔵
亀   吉
  荒井村△熊 次 郎
   同村 春   吉
   同村 国 五 郎
  同村南△乙   吉
  西下り  △西店弥兵衛
   鴻巣宿 △茶碗屋下店勝五郎
    同宿出物屋武右衛門
    同宿嶋屋 市郎右衛門
     △取上ケばゝ
   宮内△和 十 郎
   向ノ 弥 五 郎
   本宿 国 五 郎
     宮参り
一、紋縮緬産着二枚茶碗屋勝 五 郎
一、鰹節三袋  弐本 志ら賀扇子
一、巾着壱つ茶碗屋下店ばゝ
一、金弐朱隣り平   蔵
一、弐百文 坂兼   吉
一、弐百文 下鶴   吉
一、弐百文荒井村由 太 郎
一、金百疋佐五右衛門
一、金百疋栄   作
一、金弐朱常   蔵
一、鰹節壱袋 弐本 紙十丈扇子野足り弥 兵 衛
一、窓の月  壱つ  表善右衛門
一、金五拾疋荒井村春   吉
一、産着 壱枚宮内村和 十 郎
一、金壱朱 紙麻野足り弥兵衛より
 、    おいゝゝ祝儀貰候
一、ふとり嶋 壱丈  樋川宿孫 兵 衛
一、金壱朱鴻巣宿出物屋武右衛門
     疱瘡見舞覚
 元治二年丑二月廿七日
上菓子 表善右衛門
金平糖隣り平   蔵
窓の月後ノ源 次 郎
白砂糖川岸要   蔵
白砂糖川岸由 五 郎
絵袋窓ノ月丸山勇   助
米謾(饅)頭弥 陀 堂
米謾頭下ノ栄   作
蒸菓子向原佐五右衛門
折菓子 原常   蔵
米謾頭川岸瀧 五 郎
絵袋菓子坂ノ兼   松
解説 この資料は、文久四年(一八六四)二月の田島家の出産祝の贈り物や返礼の赤飯配りの記録で始まっているが、その後も田島家の祝い事の記録が記され、明治三年まで続いている。ここでは、一応慶応三年(一八六七)までの分を収録した。
文久四年の出産祝では親戚や隣近所から鰹節や三月節句の近いこともあってか雛の贈り物が多い。初めての宮参りでは産着も贈られている。また元治二年(一八六五)二月には赤ん坊が疱瘡にかかったらしく、菓子、金平糖、米まんじゅう、蒸菓子といった子どもが喜びそうな見舞品が贈られている。
ついで慶応二年八月には、再び出産があったらしく、その九月一五日には宮参りをしている。そして卯三月(慶応三年)には雛が贈られ、赤飯が配られている。
こうした祝い事の際の贈り物の品々や習慣を知ることのできる資料である。

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