北本市史 資料編 近世

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第2章 村の生活

第2節 年貢の納入

2 年貢皆済目録

97 文政五年(一八二二)六月 本宿村年貢皆済目録
  (本宿 岡野正家文書三九)
   去巳畑永御年貢皆済目録の事
高五拾八石五斗三升八合 武州足立郡本宿村
   此納辻
 永拾六貫四百八拾弐文 但、本永口永共
  此金拾六両一分弐朱永弐百七文
永三拾文           御林銭
永三拾弐文          綿弐割出

     寅年より御林壱ケ所百姓江被下
永三百文
     候ニ付永々御年貢地相成上納分


四口 合永拾六貫八百四拾四文
   此金拾六両三分永九拾四文
   此納訳
一金三両ハ          巳五月納
一金弐両弐分ハ        同七月納
一金三両ハ          同九月納
一金三両卜          同十二月納
  銭百七拾弐文
一金三両弐分弐朱 同暮皆済金の内当五月迄年延
銭四百弐拾四文 其分当年番勇次郎より上納
金三分銭五百七拾弐文 去巳旱損二付御用捨引
 此永八百三拾四文四分
一銭弐百四拾八文       樹呂箒代
 納合金拾六両三分銭壱貫四百廿六文
差引 銭七百八拾九文     過納
   外小物成
一大豆三俵弐斗五升四合    但四斗入
 内弐俵弐斗五升四合 去巳旱損二付御用捨引
 残壱俵の代       巳九月上納
  金壱分五百拾文 両二石弐斗九升かへ
一小豆壱斗六合 去巳旱損二付皆無御用引
右は去巳其村畑永御年貢書面の通皆済有之ニ付、小手形引替一紙目録相渡候もの也

         三上筑前守内
 文政五午年六月   酒井順作 ㊞
            本宿村
             年番名主代
               惣 吉殿

解説 この資料は、旗本三上氏が本宿村の知行所に発給した年貢皆済目録である。
 内容は表題の次から村高、畑・屋敷の本永(本年貢)と口永(付加税)合計、御林銭(地頭林の利用税)、綿銭、そして年貢高合計となっている。
「此納訳」以下は具体的な納入状況を示している。それによると年貢は一度に皆済したのではなく数回に分けて上納され、その都度小手形と称する請取が領主から発給されており、この皆済目録は、完納時にそれまでの小手形と交換に発給されたことがわかる。年貢完納は翌年の六月であり、実際の納期がかなり遅れていたことがわかる。

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