北本市史 資料編 近世

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第2章 村の生活

第3節 産業と金融

5 材木商・職人

123 元治元年(一八六四)六月 下総古河町材木屋栄吉ほか一人より宮内村材木屋和十郎へ杉木売渡証文
  (宮内 大島隆三家文書ニ六)
      売渡申杉木証文の事
       別紙番附帳面の通り
一杉木拾弐本 但シ七尺弐寸より五尺七寸まで
      長サ八間ニ切抜也
 此代金百拾五両也
  外二金壱両弐分也 江戸深川木場迄
           川下ケ筏乗下ケ賃
右は野渡村熊野権現社地の木品我等買請置候内、前書の木数右代金ニて同村川岸出シ売渡申処実正ニ御座候、為内金六拾両只今慥ニ受取申候、尤残金川岸出した木揃の節御渡可被下候、然ル上は此木ニ付何様の儀出来候共我等買請置木品ニ御座候ハゝ、私共引受貴殿江少も御損毛相掛ケ申間敷候、為後日売渡申証文依如件
     下総古河町
       八幡田町
  元治元子年六月   材木屋
         売主 栄   吉 ㊞
     武州埼玉郡
       下新井村
        材木屋
         売主 伝 五 郎 ㊞
  武州足立郡
    宮内村材木屋 
         和十郎殿
解説 この証文は、市域宮内で材木商を営む和十郎が、下総国古河町(現古河市)の材木屋栄吉と、武蔵国埼玉郡下新井村(現北埼玉郡大利根町)の材木屋伝五郎から、野渡村(現栃木県下都賀郡野木町か)の熊野権現社地の杉木一二本を一一五両で買った際に作成された売渡証文である。目通りであろうか七尺二寸より五尺七寸(二・一八〜一 ・七三メートル)長さ八間(一四・六メートル)という大木であり、これを江戸深川の木場へ筏にして運ぶと筏乗りに一両二分支払うことになっている。
市域の材木商がこのような広い地域にわたって商売をしていたことに驚かされる

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