北本市史 資料編 近代

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第1章 政治・行政

第5節 北本宿村の成立

2 石戸村と中丸村の合併

86 昭和十八年(一九四三)六月 北本宿村国民健康保険組合設立発起人会開催及び趣意書
  (中丸 加藤一男家文書九四)
拝啓、かねて設立認可申請中の北本宿村国民健康保険組合設立許可書去る十二月二十五日付を以て下付相成り申候、爾後、事業開始準備中の処漸く近日中開始の予定つき申候、間玆に発起人会を招集し種々御懇談致し度御多忙中恐縮に存じ候へ共来る三月二十六日午前九時解脱感謝会館に御参集相成度此段及御通知候
(追って当日は認印御持参願上候)
 北本宿村国民健康保健(険)組合設立発起人代表 田島忠夫㊞
 加藤栄一殿
  北本宿村国民健康保険組合設立趣意書
北本宿村国民健康保険組合ノ設立に就いて
今般(このたび)村民(みなさん)が病気に罹(かか)ったり分娩(おさん)をしたりした場合等(ときなど)の費用にお互に困(こま)らないように平常(ふだん)から掛金(かけきん)を出し合って置いて医者や産婆などにはその集った金の中から支払(はら)うようにする組織(しくみ)の国民健康保険組合を本村(このむら)に設立(つくり)したいと思いますから左記事項(つぎのことがら)を読んで同意(さんせい)して下さい。同意(さんせい)のお方は末尾(おわり)にある同意書を切取りそれに必要事項(ひつようのことがら)を記載(かきいれ)して六月三十日迄に部落会長さんに御届け下さい。
 昭和十八年六月二十四日
発 起 人
村 長田島忠夫常務方面委員伊藤亮賢村会議員諏訪喜雄
助 役新井大一村会議員加藤敬作島村繁蔵
中丸農会長大島治平野口隆二小林義作
中丸信用
組合長
加藤栄一柳井徳寿新井正雄
石戸信用
組合長
大沢慶廣柳井喜平新井忠相
警防団長小林栄一黒沢賢一金子菊治
壮年団長新井光弥鈴木重太郎新井幸之助
在郷軍人
分会長
谷口清中村徳次
医 師新島伊助新井万吉
組合員になる者
 北本宿村に住む世帯主は組合員になることが出来ます
被保険者になる者
 世帯主が組合員になると、世帯主も家族も全部被保険者になります。唯左記の者は被保険者になれません
 一、工場や鉱山の健康保健(険)の被保健(険)者になっているもの
 二、官業共済組合及警察共済組合の組合員
 三、組合地区内に転住して一カ月を経ざる者
保険給付ノ概要(医者産婆にかゝる方法)
 一、被保険者になりますと、疾病や負傷の場合に埼玉県内のどこの医者にも受診することができます。費用は大部分組合が出しますが、唯療養に要した三割丈は組合員に負担して貰はねばなりません
  療養の給付は同一傷病なら百八十日迄致します
 二、被保険者が分娩する場合は無料で産婆の手当を受けることが出来ます
  (但し産後の処置だけは自弁です)
其の他の組合の事業
 組合では被保険者の健康を増進させる為に予防注射や健康診断やその他種々の施設をする予定です。
保健(険)料の概要
 組合員は毎月組合へ次の等級によって保健料を納付することになります。
 被保険者六人を超ゆる世帯に在りましては、其の一人を増す毎に前項の額に五銭を加算したものを以て保険料と致します
組合の構成の概要
 組合には組合会を置いて重要事項はそこで決めます
 組合会は組合から選ばれた議員が集って開きます
 組合に理事を置いて平常の事務を致します
其の他
 尚組合には政府から沢山の補助金が交付されます
等級別 資力標準(村民税納付額) 組合員一人月納付額等級別 資力標準(村民税納付額) 組合員一人月納付額  
第一級 一円未満 
・三五
第一一級 
十円未満 

二・七五 
第二級 一円五十銭未満・五五 第一二級 十二円未満三・一五
第三級 二円未満 ・七五 第一三級 十四円未満 三・五五
第四級 二円五十銭未満 ・九五第一四級 十七円未満 四・一五
第五級 三円未満 一・一五 第一五級 二十円未満 四・七五
第六級 四円未満 一・四〇 第一六級 二十五円未満 五・五〇
第七級 五円未満 一・六五第一七級 三十円未満 六・二五
第八級 六円未満 一・九〇 第一八級 五十円未満 七・二五
第九級 七円未満 二・一五 第一九級 七十円未満 八・二五
第十級 八円五十銭未満 二・四五 第二〇級 百円以上 一〇・〇〇

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