北本市史 資料編 近代

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第1章 政治・行政

第1節 近代行政のはじまり

6 自由民権

30 明治十五年(一八八二)二月 桶川宿政談演説会
  (埼玉自由民権運動史料)
〇地方警察官の傾き  地方の警察官が民権家を待遇するに東京府下より常に厳なる傾むきにあるハ今に始まらぬ事にてさまて驚くへきにハあらねども、近来ハ一層戲重の傾むきを現せしが如し(中略)又同(十一月)十八日埼玉県北足立郡桶川宿の政談演説会は去る十月廿日開会の積りにて土豪須田守三氏の依頼に応し前の青木氏弊社の肥塚大岡と三人出席を約し、演題ハ有志者の注意に任せ何れも東京又ハ地方にて一回演説せし者を送りしに、同地の警官は其内一二題不穏当のものありとて不残認下せず、夫れより更に極々平常の題を撰み是迄の会主ハ同宿の村田宗三郎府川辨蔵の両氏なりしが、一層注意を表せん為め浦和宿の近藤圭蔵(三)氏は事に熟練なりとて同氏を招いて会主に加へ届ケ出てしに、尚ほ種々様々の面倒に出会ひ遂に五回まて警察署へ出頭して漸く去る十八日開会の運びに至りしかバ、該地方の人民は是等の為めに一層奮発して即夜懇親会を催せしに同県会議員永田、福島両氏、八木橋、戸井田弊社長矢部等の諸氏を始めとして来会の志士三十余名にて是亦盛会なりし由(後略)
 (明治十五年二月二日 東京輿論新誌)

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