北本市史 資料編 近代

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第1章 政治・行政

第1節 近代行政のはじまり

6 自由民権

33 明治十七年(一八八四)七月 北足立郡滝馬室村常勝寺自由党政談演説会
  (埼玉自由民権運動史料)
〇自由政談演説会 埼玉県下鴻の巣在滝馬室村自由党員西崎利助・金子佐平・島田菊松・同伊之助・西崎沐二郎氏等の発起にて去る廿二日同村常勝寺に於て政談演説会の催ほしあり、為めに山川善太郎・大久保常吉の両氏を東京より聘したり、会場にハ許多の紅珠灯など飾りつけて壮観謂ん方もなく午後三時より開場せしが、第一席三島氏(何をか不安心と謂ふ)第二席大久保氏(立憲政体論)第三席山川氏(文明の政治家ハ最も度量の寛大なるを要す)第四席大久保氏(僧侶に告ぐ)第五席山川氏(改革家の決心を示す)先づ目出度閉場を告げたるが此日曇天なりしにも拘はらずして聴衆多く拍手喝釆時々会場に震ひて甚だ盛んなりしと云ふ、該村ハ改進党員加藤政之助氏の郷里なれども西崎氏等ハ却て之と其主義を同うするを屑しとせざる者あり遂に這回政談演説会の催ほしありたり、又該地方の警察署にてハ如何なる御都合の有ることにや政談演説会の貼り出しハ一ヶ所の外相成らずと堅く申し渡されしと、是れ亦一種の御新発明といはまくのみ
 (明治十七年七月二十四日自由新聞)

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