北本市史 資料編 近代

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第1章 政治・行政

第3節 大正期の村政

3 国勢調査
国勢調査は、大正九年以来五年ごとに施行されている人口センサスである。明治三十五年第十六回帝国議会で「国勢調査二関スル法律」が制定公布され、同三十八年に第一回の調査が行われることとなっていたが、日露戦争勃発のために延期になった。大正七年第四〇帝国議会においてようやく、同九年第一回国勢調査を行うことが確定し、同十月一日を期して実施された。資料63は、同六月に出された国勢調査の趣旨、普及方法及び実施の時期についての中丸村の郡長宛の報告である。これによれば、同趣旨の徹底のために通俗講習会が開催された。また資料64は中丸村の調査区の番号区域及び担当調査員の郡長宛報告や、郡役所からの国勢調査に関する通牒類である。国勢調査は郡役所と各町村間で事前に綿密な準備が行われ、役場も国勢調査のための臨時係職制を組み(資料62)、万全の体制をとった。資料65は第一回国勢調査数え歌であるが、その他ポスターなどもつくられ老若男女にいたるまで、国勢調査の意識を高揚させた。なお調査内容は、全人口について世帯における地位、性別、出生年月日、配偶関係の純人口関係事項のほか、職業および職業上の地位、出生地、民籍・国籍などであった。第一回の調査の結果、石戸村の人口は四・二七九人、中丸村の人口は三・三五四人であった。

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