第2章 産業・経済

第1節 近代初期の農業と水利

3　産業組合の設立と石戸農会の結成

108　大正三年（一九一四）五月　有限責任石戸村信用購買販売組合状態
　　(石戸宿 峯尾榮家三一)
（表紙）
「　　大正三年五月
　有限責任石戸村信用購買販売組合状態」

　　目　次
第一　組合設立以前区域内ノ状況
第二　組合設立ノ事情
第三　事業ノ状況
　　　一　貯金　　二　貸付金
　　　三　購買　　四　販売
第四　事業ノ成績累年比較
　　一　組合員数　二　出資口数
　　三　出資金額　四　貸付金額
　　五　借入金額　六　貯金額
　　七　購買金額　八　販売金額
　　九　収入金額　ー〇　支出金額
　　一一　剰余金及其処分
　　一二　積立金
第五　組合・効果
第六　表彰
第七　紀念樹賞金受領
第八　紀念樹ノ植栽
第九　中央会両副会ノ来村
第十　視察者其他
第十一　定款
第十二　諸規定（ママ）
　　一　議事細則　二　事業執行細則
　　三　信用程度評定規定　四　貯金奨励規定
　　五　御即位紀念樹植栽規定
　　六　貯金規約準則
第十三　貯金箱及図解
第十四　役員名簿
第十五　組合員名簿
　第一　組合設立以前区域内ノ状況
石戸村ハ北足立郡ノ北部ニ位シ下石戸下・下石戸上・石戸宿・荒井・及ヒ高尾ノ五大字ヨリ成リ戸数六百四拾、人口四千八百六十、田七十九町、畑五百七十一町、山林二百二十七町、宅地六十四町、原野其他十一町合計九百五十二町、地価金拾五万三千八百円ヲ有セル農村ナリ、明治二十二年自治制ノ布カルヽヤ五月矢部長作氏村長ニ当選シ爾来村治大ニ挙レリト雖モ、二十八年村会議員配置ノタメ紛擾（フンジョウ）ヲ生シ、鴻巣町栗林安兵衛氏代リテ職務ヲ代理セシモ紛擾息マス、公吏侮辱誹毀罪等ヲ構成スルモノアルニ至レリ、有志深ク之レヲ憂ヒ百方苦心ノ結果明治参拾年田島和助氏村長卜為ルニ至リテ解決セリ、氏在職スルコト僅カニ八閲月大澤麒三郎氏其後ヲ継キ任ニアルコト一期間ナリシカ、紛擾平息後ノ石戸村ハ恰モ□□□レル如クニシテ醒メントモセサリキ、三十四年十二月本組合長ノ大澤氏ノ後ヲ襲フヤ農業ノ改良、小学校舎ノ改築、隔離病舎ノ新築、基本財産ノ蓄積及風紀改善ノ五要綱ノ実行ニヨリ本村ヲ長キ眠ヨリ醒メシメント計画セリ
　第二　組合設立ノ事情
本村ノ行政ハ前述ノ如キ不振ノ状況ニ在りシカ産業ニ至リテハ更ラニ之レヨリ甚シキモノアリ、当時本村ノ農業ハ唯旧習ヲ墨守セルノミナリシニ反シ、蚕業ノ益々発展シ副業ノ状態ヨリ投機的事業卜変シテ一攫千金ヲ夢ミ、収入ハ反リテ反比例ヲ示シ村民経済ノ衰退ヲ来シ産ヲ倒スモノ続出セル状態トナリ、是ニ於テ本組合長ハ当時村長トシテ蚕業縮少論ヲ唱導スルト共ニ普通農業ノ改善ニヨリテ村民経済ノ袞退ヲ挽回セント企画シ、農事講習生ノ養成、米・麦・陸稲・大豆等ノ立毛共進、堆積肥料ノ改善其他肥料ノ共同購入等ヲ実行シ、且、貯蓄心ノ涵養風紀ノ改善ノタメニ勤俭貯蓄組合ヲ設ケ鋭意勧奨セシモ尚進ンテコレカ組織ヲ完全ニシ鞏固ナル金融機関ノ必要ヲ感スルニ至レリ、偶々産業組合法ノ発布ヲ知リ是レ時弊ヲ救ヒ農村経済ノ発達ニ最モ適切ナルモノト信シ玆ニ信用組合ノ設立ノ決心ヲ堅メ、 三十六年八月以後村内有志卜会同数回ニ渉りタルモ未タ組合ノ効果ヲ知レルモノ少カリシニヨリ、前途ヲ悲観セルト局ニ当ルモノヲ得サルトヲ憂ヒ設立ノ決定ヲ見ルニ至ラザリキ、此ニ於テ熱誠事ニ当ラハ事業ノ成績挙ラサルコトナカルへク局ニ当ルモノナキヲ憂へハ、自ラ組合ノ主事タランコトヲ誓ヒ漸ク設立ノ議ヲ纏メ、十一月十八日設立ノ申請ヲナシ二十日認可セラレ登記ヲ完了シタルハ十一月五日ニシテ事業ヲ開始シタルハ同月二十一日ナリキ、而シテ陸軍糧秣本廠へ大麦販売ノ必要上ヨリ購買販売ノ事業ヲ兼営シタルハ明治四十一年ナリトス
　第三　事業ノ状況
設立ノ際謂ラク組合員三百人出資四百ロヲ得テ貯金ヲ奨励シ事業ノ発達ヲ計ラバ株式会社桶川貯蓄銀行ノ如クナル可シト、蓋シ当時ノ該銀行ハ株式ノ払込済額金七千五百円ニシテ貯金三万五千円ラ有セシモノナレハ、本組合モ存続期間中一組合員ヲシテ月々参拾銭宛ノ貯金ヲナサシメハ金九十円ナルヲ以テ三百人ノ貯金額ハ弐万七千円トナリ、出資四百ロハ金四千円ナルヲ以テ同期間利殖セハ金一万六千円ニナルナリ、故ニ両者ヲ合スルトキハ解散時期ニハ金四万参千円ヲ得へキ概算ナレハナリ、今ヤ創立玆二十一ヵ年ニ満タスト雖モ既ニ金四万壱千余円ニ達セシヲ以テ設立当時ノ観想（ママ）ヲ現実スルコトヲ得ヘシト信ス、左ニ組合現況ヲ数項ニ分チテ略述セン
一　貯金
本組合ノ貯金ハ分チテ定期・当（座脱カ）ノ二種トス、定期貯金ハ六カ月以上ノ期間払戻ヲ請求ヲセサルモノニシテ利息ハ年六分五厘以下トシ、当座貯金ハ随時引出シ得ルモノニシテ利息ハ年六歩以下トス、蓋シ貯金ハ組合経営ノ骨子ナルモ設立ノ当時ニ於テ貯金ノ風習起ラサりシヲ以テ貯金奨励規定ヲ設ケテ是レヲ奨励セリ、然レドモ組合員卜事務所トノ巨離遠キハ一里ニ達シ往復ノ不便少カラサルヲ以テ、貯金箱ヲ考案シ貯金規約ニ拠り居ナカラ貯金セシムルノ方法ヲ設ケタリ、其方法部落存在ノ状態ニ鑑ミ二三十戸ノ組合員ヲ以テー組トシー人ノ貯金取扱者ヲ置キ（貯金規約参照）常二貯金箱及鎖鑰（サヤク）ヲ保管（セ脱カ）シム、一回若シクハ数回一定ノ期日ヲ以テ組合員ニ貯金箱ヲ廻送ス、貯金箱ノ表面ニハ取扱者ヲ筆頭ニ甲乙丙丁卜組合員ノ氏名ヲ貯金口ノ側ラ二記載シアルヲ以テ、取扱者ハ先ツ自己ノ貯金口ニ貯金ヲ投入シ之レヲ隣家ノ甲組合員ニ廻送ス、 甲組合員モ亦之レニ做ヒ乙組合員ニ廻送ス、乙ヨリ丙、丙ヨリ丁卜順次廻送シ貯金ヲ了シタルトキ最后ノ組合員之レヲ取扱者方ニ持参ス、此時取扱者ハ持参人ヲ立会ハシメ鎖鑰ヲ明ケ蓋ヲ開キ各自ノ貯金額ヲ調査シ、各人別ニ貯金取扱簿ニ記入シ取扱簿卜共ニ之レヲ取扱者ヨリ事務所ニ差出シ各人ノ貯金台帳ニ其記入ヲ求メ、且ツ取扱者ハ預ケ済ノ証トシテ取扱簿ノ金額欄ニ理事ノ認印ヲ請ケ置クモノトス、而シテ貯金者各自ノ貯額ヲ通帳ニ記入ヲ求ムルハ通帳ヲ便宜取扱者ニ托スルカ、又ハ各自カ用務ノ時ヲ以テ事務所ニ至り記帳ヲ請フカ、二者其一ニ拠レリ
ニ　貸付金
貸付ハ無担保有担保ノ二種トス、組合員貸付金ヲ請求セントスルトキハ借用金申込書ヲ差出サシメ、主任理事及組合長之レヲ調査シ信用程度表ニ対照シテ其金額ヲ決定シ、二人以上ノ保証人ヲ立テシメ又ハ担保品ヲ提供セシメテ貸付ヲナス、利子八年一割乃至一割二分ニシテ六月・十二月ノ二回二支払ハシム、返済期日ハ普通一カ年卜シ特別ノ事由アルモノニ限り二カ年迄トス、若シ期限ニ至リ弁済ノ義務ヲ忘レタルトキハ延滞利息ヲ徴シ、使用ノ実況貸付ノ目的ニ反スルモノアルトキハ期限前卜雖モ返済セシム、蓋シ組合創設ノ当時ニアリテハ金円ノ貸借ハ秘密ニ行ハル、習慣アリシヲ以テ、借入ヲ請求スルモノ少資金ノ運用ニ甚シク支障ヲ来セシヲ以テ、理事者ハ農事改良其他有益ノ事業ニ利用スル借入金ハ公然借入ル、トモ厭フ可キモノニアラサルノミナラズ、公然借入レタルトキハ一日モ早ク返却スヘキ心トナリ、借入者ノ幸福ヲ増スノ道ナルコトヲ諭トシ、漸ク旧習ヲ打破シ公然借入金ヲ請求スルニ至レリ
三　購買
購買品ハ理事ニ於テ必要卜認メタルトキ又ハ組合員ヨリ申出アリタルトキ別ニ指定シタル特約店ヨリ常ニ配布セラル、物価表ニ拠リ購買スヘキ種類価格ヲ決定シ、之レヲ組合員ニ通知シ、組合員ヲシテ所要ノ種類数量ヲ記入シタル購買申込書ヲ組合ニ提出セシメ一括シテ特約店ヨリ購買ス、而シテ購買品着荷スルヤ組合員ハ先キニ組合ヨリ配布ヲ受ケタル購買紹介書ヲ特約店ニ差出シ、又ハ遠隔ノ地ヨリ買入レタルモノハ到着地へ(仮令ハ桶川停車場)ニ出張シタル本組合理事ニ差出サシメ其受渡ヲ完了シ、代金ハ組合事務所へ払込マシムルモノトス
四　販売
売品ニ対シテハ組合員ヨリ販売ス可キ品目ニ対シ販売申込書ヲ予メ徴シ、検査済ノモノハ理事会ノ決定シタル時期ニ於テ之レヲ組合ノ事務所又ハ指定シタル場所ニ出荷証ヲ添ヘテ搬出セシメ、申込者ノ倉庫ニ於テ之レヲ販売シ代金ハ組合事務所ニ於テ支払フモノトス
　第四　事業成績累年比較
一　組合員数

年度	組合員数	加 入	脱退
明治三十六年末	二六九人	二六九人	〇人
明治三十七年末	二八六	一七	〇
明治三十八年末	二九一	九	四
明治三十九年末	二九一	ー四	ー四
明治四十年末	二九一	三	三
明治四十一年末	二八六	四	九
明治四十二年末	三〇四	三二	ー四
明治四十三年末	三〇四	九	九
明治四十四年末	三〇二	六	八
大正元年末	三〇四	九	七
大正二年末	三〇一	七	一〇

二　出資口数

年度	出資口数	加 入	脱退
明治三十六年末	四〇〇口	四〇〇口	〇口
明治三十七年末	四二〇	二〇	〇
明治三十八年末	四三一	一一	〇
明治三十九年末	四三七	一二	六
明治四十年末	四三一	三	九
明治四十一年末	四三一	一二	一二
明治四十二年末	四五三	三九	一七
明治四十三年末	四五六	二四	二一
明治四十四年末	四五九	一三	一 □
大正元年末	四五九	一三	一三
大正元年末	四五九	一二	一二

三　出資金額

年度	出資総額	払込済額	払込未済額
明治三十六年末	四、〇〇〇円	八〇〇円	三、二〇〇円
明治三十七年末	四、二〇〇	二、五二〇	一、六八〇
明治三十八年末	四、三一〇	四、三一〇	〇
明治三十九年末	四、三七〇	四、三七〇	〇
明治四十年末	四、三一〇	四、三一〇	〇
明治四十一年末	八、六二〇	四、三一〇	四、三一〇
明治四十二年末	九、〇六〇	四、五三〇	四、五三〇
明治四十三年末	九、一二〇	四、五三〇	四、五六〇
明治四十四年末	九、一ハ〇	四、五九〇	四、五九〇
大正元年末	九、一ハ〇	四、五九〇	四、五九〇
大正二年末	九、一ハ〇	四、五九〇	四、五九〇

四　貸付金額

年度	一年間貸付口数	一年間貸付金額		一年間償還口数	一年間償還金額		年度末現在償還口数	年度末現在償還金額
明治三十六年末	三口	三〇〇円	〇〇〇	〇口	〇円		三口	三〇〇円	〇〇〇
明治三十七年末	三六	四、八七〇	〇〇〇	五	六九〇	〇〇〇	三四	四、四八〇	〇〇〇
明治三十八年末	三一	四、六七五	〇〇	一三	二、九九五	〇〇〇	五二	六、一六〇	〇〇〇
明治三十九年末	五〇	七、三八〇	〇〇〇	三五	三、八二五	〇〇〇	六七	九、七一五	〇〇〇
明治四十年末	四一	七、四八〇	〇〇〇	四三	五、三八五	〇〇〇	六五	一一、七九〇	〇〇〇
明治四十一年末	四七	八、三一〇	〇〇〇	四〇	六、三六五	〇〇〇	七二	一三、七三五	〇〇〇
明治四十二年末	五五	七、九九〇	〇〇〇	三六	五、三五四	〇〇〇	九一	一六、三七一	〇〇〇
明治四十三年末	五二	七、二四三	〇〇〇	五七	九、五二三	〇〇〇	八六	一四、〇九一	〇〇〇
明治四十四年末	九一	一三、五七〇	〇〇〇	七二	一〇、八九六	〇〇〇	一〇五	一七、一六五	〇〇〇
大正元年末	六一	一四、四三四	〇〇〇	九六	一五、〇一九	五〇〇	七〇	一六、五八〇	〇〇〇
大正二年末	六七	一六、一六五	〇〇〇	六四	一二、一三六	〇〇〇	七三	二〇、六〇九	〇〇〇

六　貯金額

年度	一年間貯金口数	一年間貯金金額		一年間貯金払戻口数	一年間貯金払戻金額		年度末貯金現在口数	年度末貯金現在金額
明治三十六年末	三四口	七一四円	七五〇	〇口	〇円		三四口	七一四円	七五〇
明治三十七年末	一六九	二、五三三	六八九	三一	五二五	四〇〇	一七二	二、七一三	〇三九
明治三十八年末	二一一	三、六三八	五八四	一四三	二、三三〇	四六二	二〇四	四、〇二一	一□一
明治三十九年末	一六〇	四、二二九	八九八	八五	二、五八七	五五一	二九一	五、六六三	五〇八
明治四十年末	一一七	五、七七〇	五二四	一一七	四、三二五	一二二	二九一	七、一〇三	九一〇
明治四十一年末	二〇〇	五、五一七	四三九	二〇五	三、〇三四	七九四	二八六	九、五九一	五五五
明治四十二年末	三〇九	九、二四七	六一三	二〇六	七、五〇四	八一二	二〇九	一一、一三四	二五六
明治四十三年末	二七〇	一二、七〇〇	六六三	二二〇	一〇、一三五	五三九	三〇四	一三、八九九	四八〇
明治四十四年末	三〇七	一四、三一三	四四六	二二七	八、〇一七	三三四	三〇七	二〇、一九五	五九三
大正元年末	三〇四	一六、七三四	二二二	三〇二	一四、二一二	〇二〇	三〇四	二二、七一七	七九五
大正二年末	三〇一	一八、九四九	八八八	三〇四	一六、六一六	八九〇	三〇一	二六、〇五〇	七九三

八　販売金額

年度	一年間貯金金額		販売先	販売品目
明治四十一年度	二、八四四	三五〇	糧秣本廠 大日本麦酒株式会社	大麦、コルデンメロン
明治四十二年度	六、一六二	三一二	同 同	同　同
明治四十三年度	四五四	七六五	彦成信購組合 同	コルデンメロン、甘藷
明治四十四年度	五、四二一	一八二	糧秣本廠 大日本麦酒株式会社	大麦、コルデンメロン
大正元年度	五、六三二	九五〇	同 同	同上
大正二年度	三三、五三〇	〇〇〇	西村、山田外二商店	大麦、甘藷

九　収入金額

年度	貸金利子		銀行利子		債券利子		雑収入		繰越金		合計
明治三十六年末	〇円		〇円		〇円		〇円		〇円		〇円
明治三十七年末	三一一	七六五	一六	六五〇	〇			五五〇	〇		三二八	九六五
明治三十八年末	六四四	五六九	三五	三七〇	〇		六	九一三	〇		六八六	八五二
明治三十九年末	八七九	六四六	七六	二一〇	〇			七五〇	〇		九五六	六〇六
明治四十年末	一、〇五四	一一一	四六	一八〇	〇			五五〇	〇		一、一〇〇	八四一
明治四十一年末	一、三二〇	七九二	四四	七九〇	〇			八五〇	〇		一、三六六	四三二
明治四十二年末	一、五五一	二五五	六八	〇一〇	〇					六四二	一、六五二	八五七
明治四十三年末	一、六二一	九〇五	八八	八八一	〇		二	五〇〇	〇		一、七一三	二八六
明治四十四年末	一、五八八	二二一	三五五	五八二	〇		一	四五〇	〇		一、九四五	二五七
大正元年末	一、八二三	九一五	三六五	四三三	一二一	七一〇	一	〇〇〇	一二七	〇三三	二、四二七	〇九□
大正二年末	一、八三〇	七〇〇	六一九	八一五	一九五	〇〇〇		九〇〇	〇		二、六四六	四一五

一〇　支出金額

年度	貯金利子		貯金奨励金		報酬		事務費		借入金利子		純益金		合計
明治三十六年末	〇		〇		〇		三五	〇〇〇	〇		〇		三五	〇〇〇
明治三十七年末	一一三	二六三	〇		二〇	〇〇〇	二〇	五二一	〇		一四〇	一八一	二九三	九六三
明治三十八年末	一五〇	七九八	〇		三〇	〇〇〇	二三	四四〇	二	五〇〇	四八〇	一一四	六八六	八五二
明治三十九年末	三〇七	一八一	七	〇〇〇	三〇	〇〇〇	二八	五三〇	一	二五〇	五八二	六四五	九五六	六〇六
明治四十年末	三八四	一八七	六	七五〇	四〇	〇〇〇	二五	八三〇	〇		六四四	〇七四	一、一〇〇	八四一
明治四十一年末	四二七	五九四	一二	七五〇	六二	〇〇〇	四二	五九〇	〇		八二一	四九八	一、三六六	四三二
明治四十二年末	六二八	六一八	一五	〇〇〇	五二	〇〇〇	七五	五三六	〇		八八一	七〇一	一、六五二	八五七
明治四十三年末	六八四	三一七	二一	〇〇〇	七六	〇〇〇	三六	八三八	〇		八八五	一三一	一、七一三	二八六
明治四十四年末	一、〇一二	八〇一	三四	二五〇	七六	〇〇〇	四〇	一七〇	〇		七八二	〇三二	一、九四五	二五三
大正元年末	一、〇五九	七一三	五二	二五〇	七六	〇〇〇	三四	六三〇	五八	三〇五	一、〇五六	一九二	二、四三七	〇九〇
大正二年末	一、二四八	四二九	六七	〇〇〇	七六	〇〇〇	三三	五五〇	〇		一、二二一	四三六	二、六四六	四一五

一二　積立金額

年度	準備金積立		特別積立金		合計
明治三十六年末	〇円		〇円		〇円
明治三十七年末	四	二〇〇	〇		四	二〇〇
明治三十八年末	四一	一八一	〇		四二	一八一
明治三十九年末	三五六	四四五	一七	〇〇〇	三七三	四四五
明治四十年末	五〇二	九〇七	四五三	九八三	九五六	八九〇
明治四十一年末	六六七	八二六	九三四	五三八	一、六〇二	三六四
明治四十二年末	一、〇〇六	六三六	一、五四六	四二三	二、五五三	〇六〇
明治四十三年末	一、二五一	六〇三	二、二〇七	七〇〇	三、四五九	三〇三
明治四十四年末	一、五〇五	二三九	二、八七九	〇三一	四、三八四	二七〇
大正元年末	一、七〇三	〇三九	二、八七九	〇三一	四、五八二	〇七〇
大正二年末	一、九〇〇	二三九	三、三八〇	二二三	五、二八〇	四六二

　第五　組合ノ効果
組合設立以前ノ状況ノ項ニ於テ述べタル如ク、当局者カ当時実行ヲ期シタル農業ノ改良、小学校改築、隔離病舎ノ新築、基本財産ノ蓄積ノ五要綱ノ遂行八農事ノ改良ニヨリテ村民致富ノ基礎ヲ堅ムル、□□□□□ナシト思考シ、明治三十五年来講習ノ開催立毛共進又八品評会等ノ開設・産業組合ノ新設ニヨリテ左記第一 ・第二表ノ如生産点ノ増加富カノ増進ヲ示スニ至レリ
第一表　生産増加表

種類	大正二年 作付反別	二十四年 一反収量	大正□年 一反収量	比較一反 増　収	作付反別ニ 対スル増収	同上時価 換算高	増収ニ対ス ル諸費	差引 利益	□　□ 平均利益
大麦	三一一、〇反	一八〇升	二九〇枡	一一〇枡	三四二一石	二二、八〇七円	一二、四四〇円	一〇、三六七円	三、三□〇円
小麦	四三、〇	九〇	一三〇	四〇	一七ニ	一、七二〇	八六〇	八六〇	二、〇〇〇
稲	四〇、〇	一四〇	一六六	二六	一〇四	二、〇八〇	一、〇〇〇	一、〇八〇	二、七一〇
陸稲	一二〇、五	一三〇	一六〇	三〇	三六二	六、〇三三	三、六一五	二、四一八	二、〇〇〇
大豆	五四、〇	九〇	二〇三	二二	一一九	一、一九〇	六一〇	五八〇	一、〇五〇
甘藷	一八〇、五〇	二九五〆	三七五〆	八〇〆	一四四〇〇〇〆	七、四二〇	三、四六〇	三、九六〇	二、二〇〇
計	－	－	－	－	－	四一、二五〇	二一、九八五	一九、二六五	平均 二、二一五

備考　水害地水田三十八町歩ヲ除ク

且ツヤ村民一般ノ風紀大ニ改マリ共同ノ精神ヲ助長シ大字感念ヲ打破スルニ至り、三十六年二ハ金二千七百円ヲ投シテ隔離病舎ヲ新築シ、四十一年ニハ金一万七千円ヲ以テ小学校ヲ改築シ、道路ノ修繕ー万五千間、新道ノ開設三カ所、坂道ノ切下ケ五カ所ニ達シ、耕地整理ヲ完成シタル如キハ直接間接ニ組合カ与ヘタル効果ナリトス