北本市史 資料編 近代

全般 >> 北本市史 >> 資料編 >> 近代

第2章 産業・経済

第2節 近代産業の発展

5 石戸トマト

144 昭和二年(一九二七)五月 石戸村でトマトクリ—厶の製造販売組合の許可申請
  (『東京日日新聞』昭二・五・一〇)
   製造販売組合の認可申請
本邦産のトマトの種子が米国へ輸出して非常に歓迎をうけその栽培成績もすこぶる良好だといふので、この有利な事業に目をつけた県農事試験場が、昨年北足立郡大石村の各摂家に勧誘し総面積七町歩を栽培し種子の一手輪出を試み大成功したのにかんがみ、本年は農事試験場のきもいりでさらに一層大規模の生産組織により大量輸出の計画中、また〱元農林省技師草野計起氏がトマトクリームの製法を発明専売特許をえてゐるので、同氏に交渉の結果好意ある承諾をえたので石戸村農友会長田島忠夫・副会長小島業三郎両氏が奔走の結果、石戸村をはじめ馬室・中丸・川田谷・上平・桶川町の一町五カ村聯合で産業組合法による有限責任石戸トマトクリーム製造販売組合を組織し、各農家に栽培のトマトクリームを製造販売し副産物である種子を米国へ輸出することになり、すでに定款を作製目下県へ組合創立の認可申請中で認可の指令あり次第創立総会を開き、出資一ロ二十円千ロ合計二万円で事業を起す筈で、本年の栽培反別は十七町歩で製造額予定は六万円以上の見込みで、技術上の指導は郡農事試験場(主任柿崎技師)で農林省及び県でも農家新副業として非常に有望視し極力助成してゐる
なおトマトクリームは在来のトマトソースと同質だが、たヾクリームは低温乾燥法により製造するので、なまのトマトと全く同じ滋養を有し、トマトソ—スに比し三倍の濃度であると

<< 前のページに戻る