北本市史 資料編 近代

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第2章 産業・経済

第2節 近代産業の発展

6 商工業の発展

150 明治四十四年(一九一一)四月 北足立郡の童笥
  (埼玉新報』明四四・四・ニ一)
  北足立郡の簞笥
北足立郡指扇・川田谷・石戸・箕田・馬室及其他の町村より産出する簞笥は郡内の特産にして昨今製作者も大に其面目を改め、殊に本郡の地味は桐栽培に適し其の生立たる桐は木質細密にして能く腐朽に耐え尢も細工用に適すれば、従て需要者益多く年々東京に輸出するもの二百余戸にして其産額実に二千万円以上に達せりと、而して斯る特産たる簞笥にして其の仕上に至りては、皆東京市の職工の手を経ざれば需要者の嗜好に適する装飾をなすを得ず、今其仕上料を聞けば一棹の簞筒にて約五円を費せりと、然らぱ折角の特産にして製作者が此れ丈けの手数と金額とを余計に支出するものにて、従って価格に影響するものなれば製作者に於て一切仕上げをなし□に需要者に販売し得る様改良せしめられたし、且つ此の特産の発達に就ては当局者にも充分注目せられたしとて某製作者は慨然として語れり

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