第2章 産業・経済

第3節 戦時下の農業

157　昭和十六年（一九四一）四月　石戸村農会会則
　　(旧石戸村文書)
　　　北足立郡石戸村農会会則

第一条	本会ハ農業ノ改良発達ヲ図ルヲ以テ目的トス
第二条	本会ハ石戸村農会卜称ス
第三条	本会ハ其ノ目的ヲ達スル為左ノ事業ヲ行フ
一	農業ノ指導奨励及統制ニ関スル施設
二	農業ニ従事スル者ノ福利増進ニ関スル施設
三	農業ニ関スル研究及調査
四	農業ニ関スル紛議ノ調停又ハ仲裁
五
六	其ノ他農業ノ改良発達ヲ図ルニ必要ナル事業
第四条	本会ノ地区ハ埼玉県北足立郡石戸村ノ区域二依レ
第五条	本会ノ事務所ハ埼玉県北足立郡石戸村大字下石戸上一五七五番地ニ置ク
第六条	本会ノ公告ハ左ノ方法ニ依リテ之ヲ行フ
一	農会掲示場
二
第七条	本会ノ事業年度ハ四月一日ヲリ翌年三月三十一日迄トス
第七条ノニ	農会法第十六条ノニノ規程ニ依り農事実行組合及部落其ノ他之ニ準ズル区域ヲ地区トシ、其ノ他区内ノ農業者ヲ以テ組織スル団体ニシテ隣保共助ノ精神ニ則り農業ノ改良発達ヲ図ルヲ以テ目的トスルモノ（以下部落農業団体卜称ス）本会ニ加入セントスルトキハ規約、代表者一名ノ氏名及住所並ニ団体員ノ氏名ヲ具シ本会ノ承認ヲ受クベシ
第七条ノ三	本会ノ会員タル部落農事団体ハ前条ノ規約、代表者ノ氏名若ハ住所又ハ団体員ノ氏名二変更アリタルトキハ遅滞ナク報告スベシ
	前項ノ部落農業団体ハ毎年三月中ニ事業計画ヲ、四月中ニ事業成績ヲ報告スベシ
第七条ノ四	本会ノ会員タル部落農業団体ハ本会ノ承認ヲ受クルニ非ザレバ脱退スルコトヲ得ズ
	(中略)
第二十七条	左ニ掲グル事項ハ総代会ノ議決ヲ経ルモノトス
一	収入予算
二	経費ノ分賦収入方法
三	事業報告及収支決算
四	借入金
五	基本財ノ造成、管理及処分其ノ他財産ノ処分二関スル事項
六	会則ノ変更
七	役員ノ解任
八	農会法第十二条第一項、第二十四条第二項及第三十五条ノ同意
九	訴願及訴訟ニ関スル事項
十	農業ノ統制ニ関スル規程ノ制定並ニ変更
十一	本則施行ニ関スル重要ナル諸細則ノ制定並ニ変更
十二
	(中略)
第四十四条	会長及ビ副会長ハ任期満了シタルトキト雖モ、後任ノ会長又ハ副会長ノ中一人就任スル迄、仍其ノ職務ヲ行フモノトス
第四十五条	会長ハ会務ヲ総理シ本会ヲ代表ス
	会長ハ総代会ノ議決ヲ経ベキ事項ニシテ臨時急施ヲ要シ総代会ヲ招集スルノ暇ナシト認ムルモノアルトキハ之ヲ専決処分スルコトヲ得
	前項ノ場合ニ於テハ会長ハ次ノ総代会ニ於テ其ノ承認ヲ求ムルコトヲ要ス
第四十六条	副会長ハ会長ヲ補任シ会長事故アルトキハ其ノ職務ヲ代理ス
第四十七条	評議員ハ会長ノ諮問ニ応ジ並ニ会務執行及財産ノ状況ヲ監査ス、会長ハ左ニ掲グル事項ニ付テハ評議員ニ諮問スルコトヲ要ス
一	総代会ニ提出スベキ議案ニ関スル事項
二	臨時総代会ノ招集ニ関スル事項
三	寄附ノ受諾及拒否ニ関スル事項
四	農会法第三十条第六項二依ル異議申立ノ決定二関スル事項
五	部落団体ノ加入及脱退ノ承認及拒否
六
第四十八条	役員ハ名誉職トス、但シ総代会ノ議決ヲ経テ報酬ヲ給スルコトヲ得
第四十八条ノニ	第十条ノ二及第十条ノ三ノ規定ハ部落農業団体役員タル場合ニ之ヲ準用ス
第四十八条ノ三	本会ニ業務担当委員二十五人ヲ置ク
	業務担当委員ハ本会ノ会員タル部落農業団体ノ代表者
	中ヨリ会長之ヲ委嘱ス
	業務担当委員ハ会長ノ命ヲ承ケテ当該部落農業団体ノ地区内ニ於ケル本会ノ会務ノ執行ニ参与ス
	業務担当委員ハ総代会ニ出席シ意見ヲ述ブルコトヲ得
	但シ議決権ラ有セズ
	業務担当委員ニハ報酬ヲ給スルコトヲ得
第四十九条	本会ニ左ノ職員ヲ置ク
	幹 事　一人
	技 手　一人
	書 記　二人
	幹事ハ会長ノ命ヲ承ケテ事務ヲ掌ル
	技手ハ会長ノ命ヲ承ケテ技術ニ従事ス
	書記ハ会長ノ命ヲ承ケテ事務ニ従事ス
第五十条	職員ハ会長之ラ任免ス
第五十一条	職員ニハ別ニ定ムル所ニ依リ俸給ヲ支給ス
第五十二条	職員退職シタルトキハ退職給与金ヲ支給ス
	退職給与金ニ関スル細則ハ総代会ノ議決ヲ経テ之ヲ定ム
第五十三条	本会ノ事業ニ関シ特別審議ノ要スル場合ハ委員会ヲ設クルコトヲ得
	委員ノ選任、解任及委員会ニ関スル細則ハ会長之ヲ定ム
第五十三条ノ二	本会農業ノ統制ニ関スル施設ヲ行ハントスルトキハ総代会ノ議決ヲ経テ之ニ関スル規程ヲ定ム、其ノ規程ヲ変更シ又ハ廃止セントスルトキ亦同ジ
第五十三条ノ三	本会ノ会員ハ前条ノ規程ノ定ムル所ニ依リ本会ノ行フ農業ニ関スル統制ニ従フコトヲ要ス、但シ特別ノ事情二依り本会ノ承認ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
第五十三条ノ四	前ニ条ノ農業ニ関スル統制ニ従ハザル者アルトキハ会長ハ二百円以下ノ過怠金ヲ課ス
第五十四条	本会ノ経費ハ会員ノ負担トス
	経費分賦収入方法ハ毎年総代会ニ於テ之ヲ定ム
	本会ハ部落艰業団体ニ対シテハ経費ヲ賦課セズ
第五十五条	本会ハ総代会ノ議決ヲ経物件ヲ以テ経費ノ負担ヲ為サシムルコトアルベシ
第五十六条	会員ニシテ其ノ資格ヲ喪失シ又ハ其ノ資格ニ変更ヲ生ズルコトアルモ、既ニ徴収シタル経費ハ之ヲ還付セザルモノトス
第五十七条	本会ハ左ニ掲グル事項ニ付使用料、手数料又ハ実費ノ弁償ヲ受ク
一	農産物ノ販売斡旋
二	農具ノ使用
三	設計、評価、鑑定
四
	(中略)
第六十三条	本会ニハ左ノ帳簿ヲ備フ
一	会員名簿
二	財産台帳
三	出納簿
四	予算差引簿
五	経費徴収原簿
六
第六十四条	剰余金ハ翌年度ニ繰越シ収入予算ニ編入ス
第六十五条	本会ノ出納ハ翌年度五月三十一日ヲ以テ閉鎖ス
第六十六条	庶務及会計ニ関スル細則ハ会長之ヲ定ム
第六十七条	会則ノ変更ハ総代会ニ於テ出席者ノ三分ノ二以上ヲ以テ之ヲ議決ス第三十三条但書ノ規程ハ此ノ場合ニハ之ヲ適用セズ
	（農会法第十一条ノ規程ニ依ル会員中ニ農会法第十六条ノ二ノ規定ニ依り農会ニ加入スルコトヲ得ル部落農業団体タルモノアル農会ニ在リテハ第六十九条ノ次ニ左ノ一条ヲ加フ）
第六十七条ノ二	農会法第十一条ノ規程二依ル本会ノ会員ニシテ農会法第十六条ノニノ規程ニ依り本会ニ加入スルコトヲ得ル部落農業団体タルモノニハ本則中第七条ノ三、第十条ノ二、第十条ノ三、第十七条、第二十四条、第五十条ノ二、第五十条ノ三、第六十一条ノニ及第六十一条ノ三ノ部落農業団体二関スル規程ノ適用ヲ妨ゲズ
第六十八条	本会解散セントスルトキハ総代会ノ議決ヲ経且会員ノ三分ノ二以上ノ同意ヲ得ルコトヲ要ス 前条後段ノ規定ハ此ノ場合ニ之ヲ準用ス
	本会解散シタルトキハ会長及副会長ヲ以テ清算人トス
	附 則
	本則ハ昭和十六年四月一日ヨリ之ヲ施行ス