北本市史 資料編 近代

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第4章 社会生活と文化

第1節 社会生活

3 災害

273 大正二年(一九一三)八月 大洪水により石戸で家屋浸水
  (『埼玉新報』大二・八・二九 )
   〇大洪水被害詳報
       ▽四十三年の洪水より水量高し
  (前略)
     ▼鴻巣町附近
二十七日午後一時滔々たる荒川の大水は堤外既に一面の洪水と化し蜿々たる北足立の大堤は時一刻一危険に頻しつゝ在り、午後三時に至り俄然一時間三尺の増水は大堤を越すに至る△吹上村大字大芦内ffl吹上駐在部長・小杉技手全力を挙げて水夫を募集し漸く壊堤を禦ぎたり△小谷村大字三丁目小谷製糸場前の大堤は木崎署長之れが防 水に当りしも、折から西風と変じ豪雨篠をつく如く怒濤堤上を越へ危険刻一刻に迫り腹堤に亀裂を生じ最早防禦の望みなく水夫等は絶望して四方に散し堤上水夫の影を止めず、役場員と共に大声水夫を呼ぶも如何に警鐘を乱打するも各自家財の取Wめに急なる為集まる者なく堤上の水越は瞬時を争ふの急を示したれば、吏員は八方に飛び漸くにして二三十名の水防夫を得応急の手当を講じ、 一方箕田村に救を求め玆を先途と防ぎにし時下向岸吉見方面の壊堤の為め僅かに破堤を見るに至らざりしかば、村民の喜びは殆んど其の極に達せるもの一如くなりし△糠 田村の大堤此又水越し危険の状態に瀕したるも幸ひに河野助役・宇賀津部長・水防夫の活動に依り破堤の難を免れたり△馬室村大字下の谷は濁水蕩一として見涯の浸水は去四十三年の洪水より三尺の増水を示したり、家屋の渦きつゝ流れ電柱に当って転落し流木其の端を打ち家具家財の浮きつ沈みつ流る、は其惨状を見るに堪へず▽浸水家屋鴻巣停車場附近ほ朝来の豪雨の為め地水にて床上浸水一戸外浸水家屋二十戸、吹上荒川筋氾濫浸水三戸、小谷一四、田間宮二九外流失家屋一 •全壊一・馬宮(室ヵ) 二七、石戸一二、川田谷二〇

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