北本市史 資料編 現代

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第1章 政治・行政

第1節 戦後の村政

5 都市計画

21 昭和二十七(一九五二)年九月 北本宿村都市計画法適用並びに地域指定申請理由書
  (埼玉県行政文書一〇九一三 県立文書館蔵)
北本宿村都市計画法適用並地域指定申請理由書
本村は高崎線大宮・熊谷間の中間に位し、戸数二、五〇七戸、人口一三、七六〇を擁し、面積一九・七七平方キロメートルにして、駅を中心に終戦后漸次戸数人口の増加を辿り、近来益々商家住宅の新増築激増の趨勢にありまして、現在駅附近半径約一キロメートルに亘り殆んど市街地の形態を整え、住民も又本村人口の五分の二以上を数えうるに至り、(中略)又来住(往)極めて頻繁なる桶川町・鴻巣町を縦貫する九号国道により今后益々商家住宅の新築を加え、人口戸数の増加が予想され、(中略)遂日堅実なる村勢の拡充発展を示し、(中略)次第に地方の交通・文化・経済の中心となりつつあります。高崎線電化と共に一段の進展に備え、都市計画法の適用を受け左記事業を推進し、秩序ある文化都市を構成せんとするものであります。
     記
一、下水道の完備
現在本村における下水道の整備は緊急を要する問題にして、国道及び駅を中心とする所謂、村の中心街を一度豪雨に見舞はれれば忽ち附近一面泥海と化し、汚水は住家に浸水する惨状にて、予防衛生は勿論伝染病防除(ママ)の見地から先年応急的措置として、鉄道管理部方面の協力を得て実施するも、これが恒久的理想の線をつくり徹底した衛生都市の実現を期待するものである。
二、道路の整備
本村は村の中央を南北に走る九号国道七キロメートルは其の幅員甚だ狭く、場所によりては三メートル程 にて(中略)頻繁に交通事故は発生、(中略)これに鑑み隣接町村と相謀り、吹上町を基点とする戸田町に至る幅員十メートルの平行道を建設する計画にて、既に去る三月県議会もその重要性を確認し採択され、早急に其の実現を期待するものなり。又本村は中央を南北に鉄道が敷設され居る状況にて将来の北本宿村の発展上地下道をもって東西を繫ぎ日増しに増加する人口を吸収し、大都市建設の受入れ態勢を整える構想にて不日実現されることが期待さる。(中略)
三、文教施設及商店街並に工場地域の区画
都市計画法の適用に依り現在散在する住家を規正し、広漠たる大平地林に文教施設及び工場地帯の実現、ひいては、これに伴う商店街は必然にて、都市計画法の適用により実現の暁には一大偉観を呈するであらう。
尚、別紙添付の参考資料の如く人口戸数は増加の一途を辿りこの儘放置する事は黙視し得ず、将来を考える時一日も早く整然とした都市の計画を樹立し受入の万全を期したい。(後略)

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