北本市史 資料編 現代
第2章 北本の農業
第5節 市町村合併と農業団体の統廃合
80 昭和三十六(一九六一)年十二月〜三十七(一九六二)年八月 農協合併協議会議事録(『農協合併関係綴』)
第二回農協合併協議会 於 役場会議室
時 十二月二十六日
二時四十分~三時三十分
出席者名簿別紙のとおり (略)
一 | 開会 |
一 | 挨拶 |
十月十七日に初めての会議を行いましたがその後の状況については石戸農協に於て役員会の結果、各役員さんの理解と協力を頂き組合員の状況についても合併に対し明るい見通(し脱カ)になった事を説明する。 | |
又、合併の意義は良く理解出来るけれど効果となると一〜二年位経過しなければどんな所が良いかは判明しないので、しかし農業構造改善等にならい土地改良事業及農業振興事業等の推蓮が容易に出来るのではないか。 | |
町長 | 小宮委員死亡による、後任の宮倉政一氏を紹介する。 |
町長 | 石戸艘協役員会の結果報告を求める。 |
結果報告について田島理事報告す。 |
一 | 十二月 二日 | 役員会に於て合併することに賛同す |
十二月十三日 | 合同会議を行い役員会の結果を報告し支部長に各部落の意向を聞いて取まとめをお願いする。 | |
十二月二十日 | 再び合同会議を行い意向取まとめの結果七〜八割位が合併に同意している様である。 |
座談的なる話合に入る
渡辺委員 | 中丸農協は議決以後の役員会も特別に開いてはないし又役員も改選になっている状態でありますので現在では何人とも云えない。 |
新井委員 | 町長の挨拶の中にもあったが合併してどこが良いかと云われても具体的にはばくぜんとしているが、国の施策でもあり合併した方が良いと思っている。 |
根岸委員 | 本協議会は合併に関する仲人役でありますので両農協の意見を聞いて推進するのが本当の姿でありますので双方の意見をお聞きしたい。 |
峯尾委員 | 中丸農協としては石戸の態度が決り次第役員会を開くことになっているとのことではなかったか。 |
渡辺委員 | 県は中丸では一昨年議決しているが以後六ヶ月以内に取消の手続き(を脱カ)してないので法的にも有効であるとの見解を取っているがどんな意味なのか。 |
宮倉委員 | 私は初顔でありますが思ったより話が進展しているようです。尚今日出席するに際して青年層(四〜五人)より要望がありましたので報告いたします。我々は農業を営んで行くには農協が二つに分かれているようでは農業経営の合理化も図れないので是非合併を促進し農業振興を推進願いたいとの要望がありましたので参考までにお知らせ致します。 |
町長 | 合併することにより有線放送を行う計画でありますので農業経営にも大変役立つのではないか。最後に石戸農協さんの意向もわかりましたので中丸農協さんも協議願い態度をはっきりして頂きたい。 以上 |
農協合併協議会 | 昭和三十七年二月七日 |
役場会議室 | |
始 三時四十五分 終 四時四十分 | |
出席者代表 (略) | |
町長挨拶 | 前回の協議会に於ては相当好転しておりましたが結果が非常に悪くなった。 |
実は又昨日石戸農協の石井専務さんが訪門(問)しアンケー卜調査の結果総数六八九、賛成二二一(三十二%)、反対四三〇(六十二%)不明八八の報告があり、前回に於いて各役員さんが協力してなんとかとの事があったが、結果を考えれば現状では努力しても何んともならないので合併にふみきることが不可能となったが、今回で合併を打切ることでなくPRをして時を見て話を盛上げる様にしたいとの報告あり。 | |
課長 | 協議会の委員さんのいる地区は一般に成積(績)がよかった。 |
関口委員 | 調査結果反対の理由というのはどうゆ(い)う点かそれを求(究)明したらよいとの意見あり。 |
農林事務所長 | アンケート調査は参考までに取るので結果がどうあろうと臨時総会にて賛否を取るとの話でなかったかとの意見あり、又賛成者が三二%もおり調査の様子が無記名でなかったらしいので反対者が多い様であるが、その理由を求(究)明の上総会で採決をして下さる様検討して頂きたい。 |
松島委員 | 総会を行うよりは町長の挨拶の通り(一欠カ)応時期を見合せた方が良いと思う。 |
町長 | 協議会であまりあせらず時期を待つのが良いとの事。 |
峯尾委員 | 石井専務が先日の会議に話した通り第一回の座談会より第二回の方が明るい見通しがついてたとのことは、私が耳にしている所では好転したのは事実で、これではと思っていた所、賛否調査の結果があまりにも以外な数字が出たので総会を行っても、一度反対したものが賛成する様な事はないと思うので総会を見合せる様にしたらよいのではないか。 |
又調査方法が記名のためその点非常に悪かったと思う。 | |
課長 | 記名では個人意志が一〇〇%表われていないと思う。 |
峯尾委員 | 勤めが多いため座談会に出ない人等が反対している面が多い。 |
関口委員 | 現在の状況ではある程度の冷却期間が必要ではないか。 |
町長 | 石井専務とすれば座談会の結果これではとの考えにより調査を取った結果悪かったとの意見であるため、協議会としてはおしっけがましいことは出来るだけさけたい。 |
中丸農協組合長 | 合併に対する調査の結果異(意)外に(なカ)数字が出、種々意見がありましたが中丸としては合併に異論はないが結果がそうであればいたし方ない。 |
又梨、養鶏、しいたけ組合等は町一本の組合でありますので不調に終(わ脱カ)ったが、これを根(ママ)感情的にはしらず今後とも協力して行って、合併の点は断念しないで序(徐)々に進む様にして行きたいとの挨拶。 | |
中央会池田 | 調査結果がはたして正しいものかどうか議(疑)問でありますが、冷却期間をおくと言う事は協議会としてそうであればいたし方ないだろう。 |
所長 | 種々総会について県と打合せをして来たが、今の状態では総会を開くよりむしろある程度の期間を置き反対理由の求(究)明をする様にお願いしたい。 |
松島委員 | 理由が判明していないから期間を置く事によって理解してくれる点が多分にあるだろうとの意見有り。 |
農政課長 | 合併問題は五ケ年計画であるため組合員の皆さんが良く理解して頂き、万全を期し反対者なく合併して下さる様お願いしたい。 |
町長 | 以上の様な結果でありますので時期を待って合併にふみ切りたいとの事 |
農協合併協議会 | |
昭和三十七年八月二十二日 | |
役場会議室午前九時 | |
本日の出席者氏名 (略) | |
午前十時開会 詞(司カ)会 課長 新井六尾 | |
町長挨拶 | 農協合併促進協議を設置し何回となく協議会を重ねて参り結果も相当良好に進み、いざ調印というどたんばでこわれてしまった様な訳です。何れにしても人の和と云うことがかんじんであると云う説明。何卒この促進がスムースに実現出来る様お願ひ(い)するものである。 |
課長 | 今回石戸地区に於て交替された新委員さんについて照会(紹介カ)する。大竹光寿・諏訪儀助両氏について。 |
農林事務所長 | 農協合併促進については皆様方、会長、町長さんを中心として心から努力しておられることに対しまして厚くお礼申上げます。 |
該農協合併のことについては斯くべからざる重要な問題であることについて説明。 | |
尚郡下の農協合併についての状況説明。 | |
現在当北足立郡下としてはB協合併の指定を受けている所はまだ一つもない。当町としては郡下に於て真先に農協合併促進協議会を設置しているので他の範として一番先に合併されることを望むものである。 | |
武蔵町農協合併の例を説明(視察済のもの)。 | |
石戸農協の役員会の時(ママ)出席した時の話 | |
石戸農協は合併の主旨については賛成であるというのでどこか先進地視察しては何(ど)うかという役員さんの声もあるので私の考(え脱カ)としては毛呂山でも視察してはと思って居ります。 | |
郡下としてもまあ一番早く協議会が出来ているので真先に合併の第一歩をふみ出していただきたいものである。 | |
前回予備契約まで進んで来た問題についてはそのまま中断されているので前の資料がそのまま用ひ(い)られ県としては補助関係その他については変っていない旨説明。 | |
農政課高橋 | 農協合併促進については永い間中断されていた理由を説明。 |
皆さんの気持ちを見通して先づ地ならしをし、何とか合併出来得る様時世の流れを深く認識しなければならない旨説明。 | |
石戸、中丸農協の意見を聞く。 | |
(石戸)鈴木 | その後の石戸としては会合もしていないので問題に対する意見はきいていない。 |
(中丸)清水 | その後の中丸としては別に会合もしていないが前回予備契約まで進んだがたまたま不調に終(わ脱カ)ってしまったままになっているので、今回は石戸さんのはっきりした決意のない限り中丸としては返事は出来ない。梨組合の例説明。 |
結論としてはこれは一日も早く合併しなくてはならない問題だと思う。 | |
諏訪 | 中丸と石戸とは農家の利用率が違うのではないか。なぜならば中丸は各商人が多く肥料、米、麦の扱業者が多く、従って農家が減っていくのではないだろうか。 |
農政課 高橋 | 説明する。 |
峯尾 | 私の方の部落として賛成論者が多かったが、その後アンケートを取り個人の意志表示が過半数以上を占めたことが理由でこわれたが、最近状況も変って来ているのでこれが過半数以下であれば前向で進んで行ってもいいのではないかと思う。 |
議長 | 農協合併の問題は工場誘致の問題よりはやさしい問題であると思う。例えば工場誘致の関係は地主一〇〇人のうち一〇人反対者があればこれはできないが、合併の問題については賛成者が多ければできるのであって、何れにしても実際の例を見てくることが望ましいのではないか(合併して実績を上げている所)。 |
田島 | 結論合併農協視察賛成 |
視察の問題は浦和農林事務所長に一任 |