北本市史 資料編 現代

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第5章 変貌する社会

第2節 保健衛生の向上

126 昭和四十一(一九六六)年二月 し尿処理場工事の進行
  (『埼玉新聞』昭四一 ・二・三)
 "騒ぎ"よそに工事進む
  四市町村北本処理場七月末には完成へ
北本町ほか一市二町一村衛生組合は、相変わらず組合脱退を強硬に主張し続けている飯山鴻巣市長をしりめに着々と北本町常光別所地内にし尿処理場の建設を急いでいる。すでに第二期工事にはいり、七月末には完成の予定だが、三十九年度後期の組合分担金さえ支払っていない鴻巣市の立ち場はますます苦しくなってきた。
県では昨年来、飯山市長を呼び、栗原知事が飯山市長のメンツを考慮してあっせん案を提示したが、一時は態度を軟化しながら、市議のトバク事件が起きたのを境に、再び組合脱退を強硬に主張しはじめ、行政警察庁浦和法務局へ「組合は正式に脱退した」という訴えを出した。
一方、組合立のし尿処理場は、昨年十月末に第一期エ事のバッキ槽(そう)と沈殿槽などが完成した。その後飯山市長になんとか衛生組合へ同調してもらおうと冷却期間を置いたが、態度が変わらなかったため、同十二月十四日に第二期工事の契約を行ない、現在、着々と工事が進んでいる。このまま順調に行けば、七月末には完成の予定だという。
総工費は一億七千九百万円で、このうち国庫補助、起債、県補助金を除いた九千八百万円が各市町村の分担。ところが、他町村が四十年度一期分まで納入しながら(川里村は一期未納)鴻巣市は分担金四千二百八十万円(四三%)のうち、三十九年度当初の五百六十七万円を払ったのみで、同年度後期分八百七十一万円は未納となっている。現状のままでいくと四十年度分二千八百万円も未納になる可能性が強い。
衛生組合側としては、鴻巣市といっても飯山市長個人が自然的に折れることを期待しているが、最悪の事態を考えて県に銀行からの一時借り入れの仲介を依頼し、県でも了承しているといわれ、他町村へ負担金が振りかわることはなさそうだ。

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