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第10章 民俗芸能・遊戯

第1節 民族芸能

1 石戸宿の獅子舞

組  織
天神社の獅子舞は村を挙げての行事なので、村の鎮守である天神社の役職からみていく。
氏子総代は二人(以前は三人)で、役割は神主を頼むとか祭典の執行などである。年行事は四人で、氏子総代の下で細々した祭礼の仕事をする。その他に区長も祭礼の付け祭の執行に中心的な役割を果たす。それにカシキという獅子舞を終えた後の飲み食いの準備をする役がある。これは、石戸宿を七組に分けて一年毎に交代する。
獅子舞の執行にはさまざまな仕事があり、村内の各家から一人ずつは出て役割分担をする。なお、家族の構成が、六〇歳以上の場合と女の人だけの場合は役を果たさなくてよかった。しかし、現在は女の人も役を務めるようになっている。昭和六十二年の祭の場合についてみることにする。
獅子舞に直接関わる役は、拍子木一人、金棒二人、貝(法螺貝を吹く人)二人、山車二人、花籠二人、高張(高張提灯のこと)四人、獅子方十一人、笛師八人、花笠四人、警護四人である。獅子方は十一人いるが、獅子舞をするのは四人で、交代して行う。四人は、サイリョウ(サルバカともいう)、法眼、中獅子、女獅子で、男獅子二頭女獅子一頭という構成になっている。花笠をかぶる役はハナガサッコといい、現在男の子も務めているが、以前は女の子の役であった。
その他の役は、屋台係四人、交通係五人、子供係五人、設営二人、綱引三人、かしき一四人、常行事一人、補佐二人、宮世話人二人、年行事四人である。屋台係、子供係、綱引などの役は囃子連中が乗る屋台関係の仕事である。常行事は区長が務め、宮世話人は氏子総代のことである。

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