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第10章 民俗芸能・遊戯

第1節 民族芸能

3 万作

楽器等
楽器は四ッ竹、すり鉦、笛などである。衣装は蓮田市小林地区の衣装屋から借りてきた。
なお、万作の唄を福島善一氏所有のノートより引用する。

村里口説き
今度サアーイー
今度新ぼん村里口説き
ここにとりわけ桶川辺の
あまた村里恋路にたとへ
主を見そめてその折柄は
日にち毎日町谷の村よ
そとに心は沖村なるが
主に逢いたいその一念は
山を小泉川田谷辺の
ここに名高き薬師堂殿へ
無理な願いも恋路の迷い
妾の心はあら滝の宮
物は日出谷でもいたつばかり
かたい石戸で約束かため
それて二人が添われるならば
人は新梨心を笑ふ
お前故ならこの上村も
乱れ次第にならうとままよ
どんな辛棒坂田ものぼり
心小針でかせいだならば
いかな倉田もたちそなものよ
互領家は変らせまいと
あのや高虫舎人の中も
二人手くんでただいそいそと
五丁台から篠津の村よ
音に聞いた姫宮様へ
かけた願は加納の村よ
早く二人が中丸となり
ニッ家枕でねたその上は
粋な東間のあの軒ならび
東の宿にて借家をいたし
そのやあたりの山中村や
小松原にて枯木を拾い
どんなびんぼう不自由がちも
お前故ならいといはせない
ヤンレ—

伊勢音頭
中山道
中山道の一席よ
私とお前は良い仲で
中山道の宿々よ
これをこひじに申すれば
花のお江戸を出る時に
すいたどうしのすわげんか
うたれ、たたかれ板橋の
えんきりえぬきもきかぬ気か
泣き泣きとだ橋通りこし
お前にえんがをされるのも
わらびのえんがとあきらめて
しょかいの晩からうらわ町
とけて話は大宮よ
まだその時にはおはずかし
上尾おろしたばっかりで
こそでを七やに桶川よ
ねまきのままにてまるはだか
こうのすなるのもお前ゆえ
はだかでみだじく通りこし
皆んなお前にいりあげて
いよいよここまでふきあげよ
次は名高いくげの土手
土手より向こうをながむれば
東におし町ぎょうだ町
西は名高いかみおかの
だいばよけなるかんぜおん
一の谷でもなけれども
私しゃお前にあつもりで
先は熊谷ふた心

だるまのくどき
ここに珍らしだるまのくどき
花のお江戸を出る時に
九段の長坂通る時
おんころころりところびこみ
餅やの店にところびこみ
あんつけだんごのつまみ食い
あなりうまいと又食べた
御地走様よところびいで
そこで番頭さんの云ふ事に
これこれこれもうしだるまさん
おあしはいかがとたづねたら
又そのだるまの云う事に
これこれこれもうし番頭さん
三千世界は広けれど
だるまにおあしがナンデあるものか


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