北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第10章 民俗芸能・遊戯

第3節 遊戯

1 男の子の遊び

魚とり
夏は荒川の水量が減り、子どものひざくらいまでになる。川底のうろ(穴)に手をつっこみ、ナマズ、ウナギなどを手づかみで取った。素手だとヌルヌルするので、手拭いを使い、その上からつかむようにすることもあった。
手作りの竿を使って釣りをすることもあった。
竿は、しの竹を切ってきて節をけずり、火であぶってまっすぐにして使った。ウキは、キりの木をけず って作った。針や糸、おもりは石戸小の前のヒロバアの店で買った。えさはミミズで、マブナや八ヤ(ハネ)が釣れた。大人でも釣りの好きな人はアカムシやウジを買ってきて釣りをしていた。また、釣りあげた魚は持って帰って食べる家が多かった。
ガラスのうけを使って、小魚を取ることもあった。
うけの長さは三〇センチメートルくらいで、その中にこぬかとミソを練って焼いたものをダンゴにして入れエサにした。香りがとてもいいので、魚がたくさん集まった。すごい時は、うけの下流へ小魚が五~六メートルも続くことがあった。
増水時、舟で川に出て魚とりをすることもあった。投網は、こどもには重いので、四つ手網を使った。
また、箱メガネで水の中を覗きながらモリ(ヤス)で魚を刺して取ることもあった。高尾橋から下流の方は、玉石が多かったので魚の出入りが多かった。フナ、コイ、ナマズ、それから大きいが小骨の多いバカセイ、また、クキなどがよく取れた。

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