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第11章 伝説・世間話・昔話・諺

第1節 伝説

34 キュウリを作らない家
かって、大字荒井では、全域で、キュウリを作らなかった。須賀神社(大字荒井の鎮守神)の氏子は定書にもあるようにキュウリを作ってはいけないのである。もらったりして食べるにも天王様(須賀神社)の祭を過ぎてでなければ食べてはいけなかった。
ところで、キュウリを食べるときは、輪切りにしてはいけない。切り口が天王様の御紋に似ておりばちがあたる。そこで、縦に切り、更に横に切って食べた。
現在では、荒井でも、キュウリを作らない家は百軒に一軒だろう。戦争中から作り始めた。作っているから、天王さまの祭の前でも食べてしまう。以前は荒井んちはつくんねえからって、親類がよく持ってきてくれた。持ってきてくれるときは、またうんと持ってきてくれるので、食い切れなくって、しまいにゃあ豚にくれてしまった。
  ▽話者・・・福島弥作さん(荒井明治四十年生)
その他、北中丸の加藤憲治家(今日も、作付けしない)、常光別所の木村イッケ(木村広吉家・木村重雄家・木村清次家)など。食べることは良い。

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