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第11章 伝説・世間話・昔話・諺

第1節 伝説

2 逆さ椿または三神椿
    荒井
a 荒井の字中岡の畑の中に小さな石がたっている。そこには、五〇年くらい前まで、大きな白椿の木があった。土地の人たちは、その椿をその枝ぶりからみて「逆さ椿」と呼んでいた。
また、福島とうさん(荒井、字中岡)所有の手帳(四代目平左衛門記、明治四十一年、七五歳で没す)は、「字、三神椿。天正度之頃越後国上杉謙信武蔵国松山根小屋之城攻之時陣取シ場所ニテ竈杭之一本也夫ヨリ新芽出ル今明治十五壬午年迄凡弐百五十年位也。併、天正銀と申ス。古銀希之由越後銀とも号ス」と記録されている。つまり、この三神椿は、地面に突き刺した棒杭が根着いたもの、と伝えられて来たのである。
なお、福島とうさんによれば、志村材木店は「ばんばんち」(馬場の家の意)といい、上杉軍の馬が繫がれていた所だという。
b 松山城を攻める時、炊きだしした三つの竈の杭がついたもの。
  ▽綱島憲次「石戸郷土読本作成ノート」

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