北本市史 民俗編 民俗編一覧

全般 >> 北本市史 >> 民俗編 >> 民俗編一覧

第11章 伝説・世間話・昔話・諺

第3節 昔話

12 糸 合 図
もう一つぼたもちの話。やっぱり見合いに行った話なんですが。
仲人さんにつれられて見合いに行ったところがね、その男はぎょうさが悪くてね、ぼた餅でも何でも手づかみにして食っちゃうのがくせでね。手づかみにして一つをあんぐりほおばっちゃうんですってね。それを仲人が聞いているから、またあの手をやられちゃげえぶんが悪い(きこえが悪い)から、今度はあの手をやらないようにと思って、仲人がその人の側についていて、やったら一つ注意してやろうと思っていた。そしたら、あんのじょう一つつまんだんですって。大変と思って、袖を引っ張ったんですって。そしたら、一つじゃ悪いんだ、二つほおぱれっていわれたと思って二ついっぺんにほおばっちゃった。
そしたらやっぱり嫁さんが驚いちゃってね、ああいうぎょうさの悪い人んところに行っちゃどうしょうもねえって、その縁談はぼっこれちゃったって。
これもこれで、いちがさかえた。
  ▽話者・・・新井宇一郎さん(荒井明治三十六年生)

<< 前のページに戻る