北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第12章 民俗の変化と変貌

第4節 年中行事

消滅するもの
もとはやっていたがやらなくなったものについて、比率の高いものからあげると、第一位が七夕にマコモの馬を作る(五二.七%)、第二位が七夕に竹を立てる(四一.九%)、第三位がオヒマチのもちを親類に配る(四一.七%)、第四位が初午のスミツカリ(四〇.二%)、第五位が小正月のマユ玉団子(三九.六%)、第六位がオヒマチにもちをつく (三六.六%)、第七位が初午にふろをたてない(三四.三%)、第八位が七夕に小麦マンジュウ(三一.二%)、第九位が二月八日か十二月八日にミケエをかかげる(二九.七%)、第十位が田植えのサナブリのボタモチ(二六.一%)、第十一位が節分のイワシの頭さし(二五.三%)、第十二位が初午の赤飯(二三.五%)、第十三位が正月の年男(二〇.七%)、第十四位がサナブリに苗をオカマ様に供える(十九.七%)、第十五位がエビス講の高盛り御飯(十五.三%)、第十六位が正月のシメ飾り(十二.三%)、同率で、六月一日か七月一日に麦ヌカをもやす(十二.三%)、第十八位が節分の豆まき(十二.〇%)、第十九位がエビス講のカケブナ(十.七%)、同率で、冬至にカボチャを食べる(十.七%)、第二一位が盆に盆棚を飾る(九.〇%)、同率で、盆に仏様を田畑に案内する(九.〇%)、第二三位が大みそかにミソカッパライをする(八.七%)、第二四位が正月のお供えもち(四.六%)、同率で、冬至のゆず湯(四.六%)、第二六位が彼岸に親類の仏壇に参る(三.三%)、第二七位が彼岸にボタモチを作る(三.一%)、第二八位が年越ソバ(ウドン)を食べる(二.〇%)、第二九位が彼岸の墓参り(〇.八%)などとなっている。全国的なひろがりを持つ行事でなく地域性の強い行事(七夕のマコモの馬、初午のスミツカりなど)行事の持つ意味のわかりにくい行事(初午にふろを立てない、二月八日のミケエなど)、こしらえたり、準備したりの面倒な行事(七夕のマコモの馬、小正月のマユ玉団子、オヒマチの餅など)が消滅していることがわかる。

表1 やっていたがやらなくなったものとやったことないもの

①七夕にマコモの馬を作る 地区別で比率が最も高い地区は、石戸宿地区(六六.七%)、二位が深井・宮内地区(五八.七%)、三位が北本地区(五六.七%)である。
②七夕に竹を立てる 地区別で比率が最も高い地区は、本町地区(五三.三%)、二位が東間地区(五二.二%)、三位が石戸宿地区(五一.九%)である。
③オヒマチのもちを親類に配る 地区別で比率が最も高い地区は、下石戸上地区(五八.一%)、二位が深井・宮内地区(五四.三%)、三位が荒井・高尾地区(五二.八%)である。
④初午のスミツカリ 地区別で比率が最も高い地区は、本宿・北中丸地区(六三.四%)、二位が深井・宮内地区(五〇.〇%)、三位が石戸宿地区(四八.一%)である。
⑤小正月のマユ玉団子 地区別で比率が最も高い地区は、深井・宮内地区(五五.四%)、二位が石戸宿地区(四八.一%)、三位が下石戸上地区(四五.二%)である。

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