北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第12章 民俗の変化と変貌

第2節 人生儀礼

実家からの届け物
出産前後に実家から何を届けてきたか。全体で比率の髙いものからあげると、第一位がウブ着(六〇.四%)、第二位がオシメ (五三.七%)、第三位が生きたコイ(四六.〇%)、第四位がカツオブシ(三七.三%)、第五位が米(三六.八%)、第六位が味噌(九.五%)である。
①ウブ着 地区別で比率が最も高い地区は、下石戸下地区(七六.九%)、二位が本宿・北中丸地区(六八.三%)、三位が東間地区(六五.二%)である。比率の最も低い地区は、公団地区(三八.一%)、低い率二位は本町地区(四六.七%)、低い率三位は深井・宮内地区(五二.二%)である。世代別にみると明治生まれ五三.九%、大正生まれ六一.一%、昭和生まれ六三.一 %となっている。(以下世代別では「生まれ」を省略)
②オシメ 地区別で比率が最も高い地区は、下石戸下地区(七一.八%)、二位が東間地区(六九.六%)、三位が石戸宿地区 (六三.〇%)である。比率の最も低い地区は、本町地区(三三.三%)、低い率二位は荒井・高尾地区(四四.四%)、低い率三位は公団地区(四七.六%)である。世代別では明治四二.一%、大正四七.三%、昭和六五.六%となっており、実家からウブ着やオシメを届ける風習は世代が若いほど盛んになっている。
③生きたコイ 地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(六二.五%)、二位が下石戸下地区(五六.四%)、三位が本宿・北中丸地区(五六.一%)である。比率の最も低い地区は、公団地区(〇%)、低い率二位は本町地区(十三.三%)、低い率三位は石戸宿地区(十八.五%)である。農家に伝承されている民俗であり、地域的には市域から県東部へ広がりを持つ民俗といえよう。世代別では明治五九.二%、大正四六.六%、昭和三九.九%となっている。
④カツオブシ 地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(五九.七%)、二位が下石戸下地区(四六.二%)、三位が下石戸上地区(三八.七%)である。比率の最も低い地区は、公団地区(四.八%)、低い率二位は本町地区(六.七%)である。世代別では明治五〇.〇%、大正四七.九%、昭和ニ二.七%で、昭和生まれが激減している。
⑤米 地区別で比率が最も高い地区は、荒井・高尾地区(五五.六%)、二位が石戸宿地区(四〇.七%)、三位が北本地区(三六.七%)である。比率の最も低い地区は、本町地区(六.七%)、低い率二位は公団地区(九.五%)である。世代別では明治四六.一 %、大正四五.二%、昭和二五.二%となっている。
⑥味噌 地区別で比率が最も高い地区は、下石戸下地区(十五.四%)、二位が荒井・高尾地区(十三.九%)である。比率の最も低い地区は、本町地区(〇%)、低い率二位は公団地区(四.八%)である。農村部ほど高い比率を示している。

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