北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第2章 社会生活と親族

第2節 村の中の区分とつきあい

1 村の中の区分

石戸宿
本宿・堀之内・九丁・横田の四つのまとまりがあり、それを区あるいは部落と呼んでいる。

写真3 石戸宿の宿並

本宿は石戸町ともいわれ、昔から「宿並三六軒」と言われた。現在は八〇数戸ある。九丁は昔はニ一戸で今は四五戸程になっている。横田は、部落で持つ薬師堂を昔一六軒で建てたといい、今は五六、七軒ある。
「風土記稿」には村の鎮守を天神社とするが、現在、天神社は本宿だけの氏神となっていて、堀之内では石戸神社を、九丁では天王様を祭る。横田では三峰様を祭っているが、部落の信仰の中心は薬師堂である。薬師堂は横田の人々の墓地にあり、建物を部落の集会所として使っている。七月に「祈禱」、十月に「灯籠」と呼ぶ祭りがあった。横田の跡継は酒を一升飲まないと務まらないと言い、堂の祭礼には石碑の間に小屋を造って芝居をしたという話が伝わっている。
今はこの四つの部落がそれぞれ独立していて、石尊講その他の民俗的行事の基盤となっている。昔の焼場の跡を大字石戸宿で持っているが大字で行う行事はないという。

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