北本市史 民俗編 民俗編一覧

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第2章 社会生活と親族

第2節 村の中の区分とつきあい

2 クミアイと近隣のつきあい

山中
リンクミ(隣組)という。山中は小さい村だったので、昔から二つの組があった。お互に「向うの組」と呼び合う。一方は小川姓が多く、片方は姓は色々だが、親戚同士が多い。
あるリンクミは一五軒からなる。葬式があると、リンクミの家は香典を持って、手伝いに行く。子どもが生まれるとやはりお金を集めて、人形を祝う。今、一五軒では多いからこの組を二つにしようという案があるが、本家分家で分れるのは嫌だという意見があってできかねている。また、組内でけんかして他の組へ移ったという家もある。
山中のリンクミで興味深いことは、正月の貰い風呂を行っていた事である。除夜の鐘を聞いたら、組のその年の当番の家で風呂を立てる。そして用意ができると「風呂が沸いたよー」と大声で触れる。すると、リンクミの家々の歳男はその家に集まり、風呂に入り、酒を飲んでそのまま村氏神の氷川様にお参りし、家に帰って神棚の灯明をつけた。昭和の初期まで行っていたそうである。

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